子どもの「ネガティブ発言」否定してはいけない訳 どんな声かけが強い心を育むことにつながるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

多くの人が、できるならば味わいたくないし、遠ざけておきたいと思うネガティブ感情には、どのような意味があるのでしょうか? たとえば、夜道を歩いているとき、背後からカサッと物音がしたとします。心臓がドキドキして、冷や汗をかくと同時に「怖い!」と感じ、その気配に意識は集中し、命を守ろうと逃げる態勢になるのではないでしょうか。

恐怖を感じるから、危険な状況から逃げようと試みることができます。ほかのネガティブ感情も同じように意味があります。「怒り」は自分の大切なものが侵害されたというサインであり、大切なものを守ることにつながります。「悲しみ」は失ったものの大切さを教えてくれますし、「落ち込み」は体を休めて心身を守る必要があるというサインになります。

つまり、ネガティブ感情は進化論的に、生存本能として私たちが自分の命を守るために存在しているのです。このような重要な役割があるため、人はネガティブな感情を感じやすく、ネガティブな出来事がより頭に残りやすいといわれています。これを「ネガティビティ・バイアス」と呼びます。その日のいやな出来事がずっと頭に残ったり、子どものできない部分のほうが気になったりしてしまうのも、この特徴のせいです。

ネガティブ感情も成長には必須

私たち大人は、子どもがネガティブ感情を示したときに、ポジティブな気持ちになるようにと盛り上げたり、機嫌を直そうと試みたりすることがあります。しかし、ネガティブな感情を感じられること、そして、ときにネガティブな感情を持ちながらも行動する力を育てることは、強い心を育てるうえで欠かすことができません。

お子さんがネガティブな感情を表現したときは、無理に気持ちを変えようとしたり、判断したりすることなく、まずはじっくり話を聞き、そのままの気持ちを認めて受け止め、感情を感じられる時間を与えてください。そのうえで、子どもが気持ちを立て直して問題を解決していけるよう、サポートをしていきましょう。

次ページネガティブな感情を言語化してあげる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事