子どもの「ネガティブ発言」否定してはいけない訳 どんな声かけが強い心を育むことにつながるか

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私たちは日々、さまざまな気持ちを感じていて、その感じ方は成長するにしたがって変化していきます。たとえば、赤ちゃんのころの「快」か「不快」か、という単純な感じ方から始まり、成長するにしたがって、徐々に「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐れ」といった気持ちまで、より複雑な感情を感じられるようになります。

ところが、この子どもの「気持ちの成長」について、親はつい見逃してしまいがちです。「歩けるようになった」「ひらがなが書けるようになった」などの成長はわかりやすいのですが、心の成長については、目に見える変化がない分、気がつかないことが多いようです。きょうだいにやきもちをやいて悪さをしたとき、その感情を感じられるようになったことを親が喜ぶことはあまりないかもしれませんね。

そのため、子どもの気持ちの成長において、とても大切な親のサポートが抜け落ちてしまうことが少なくありません。しかし、たくましく、幸せな人生を送るためには、外から見える成長に加えて、目には見えない心も育てていくことが欠かせません。

「気持ち」と仲良くなることが大事

子どもの心を育てるうえで基本となるのが、「子どもが自分自身の気持ちと仲よくなる」ように導いていくことです。感情知能を育てていくことともいえます。感情知能とは、自分や他人の感情を認識、理解し、うまくとり扱う能力のことです。この力は、よりよい選択や行動につながり、良好な人間関係を築いたり、学業によい影響を与えたりすることがわかっています。

そして、この力は自宅や学校で接する大人に影響されます。ですから、親が子どものコーチとなって、子ども自身や他人の感情について話し合うことで、気持ちと仲よくなる力を伸ばすことができるのです。

「そう言われても……具体的に何をすればいいの?」と途方に暮れてしまうかもしれません。そこで、まずは「気持ち」について理解を深めてみましょう。

私たち人間が日々感じているさまざまな気持ちについて、心理学においては一つの考え方として「ポジティブ感情」と「ネガティブ感情」とに分類できます。楽しい、うれしいといった、感じると心地よさや喜びを覚えるのが、ポジティブ感情。そして、悲しみや不安やイライラなど、体験すると不快な感じになるのがネガティブ感情です。

どちらの気持ちがよい悪いということではありません。感じると快か不快かという分類です。どちらのタイプの感情もそれぞれに意味があり、生きていくうえでは大切であり、誰もが持っているものです。

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