日本とアメリカの「消費回復」が目に見えて違う訳 国力の違いはあるが、政治力の差も明らかだ

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政府は 4月23日に第3次の緊急事態宣言発出を決定し、ゴールデンウィーク中の短期決戦による事態の改善を目指した。

しかし、この作戦は失敗し、緊急事態宣言は5月7日に延長決定された。

このため、飲食店や百貨店に休業などを要請せざるをえない状況になっている。

したがって、経済の低迷はさらに続くだろう。

日本では新規感染者数が増加、アメリカは激減

なぜアメリカ経済が回復に向かい、日本が回復できないのか?

アメリカ経済の回復について、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は、最新の経済報告で、「景気回復のペースが加速している」として、見通しを改定した。

回復加速の原因として、ワクチン接種の広がり、飲食店の人数制限などの緩和、現金給付を柱とした政府の経済対策などをあげている。

現金給付の影響も無視はできないが、基本的な原因は、感染者が激減したことだ。

このことは、『ワクチン敗戦国」日本が絶望的に後れる惨状』(2021年5月2日配信)で指摘した。

この傾向は、その後も続いている。Our World in Dataによると、新規感染者数は、アメリカでは、4月初めに約8万人であったが、5月7日には4万7000人にまで減少した。

今年の1月初めに20万人程度(1月2日には30万人を超えた)だったことと比較すれば、驚異的な減少だ。

それに対して日本では、4月初めに2000~4000人程度であったが、5月7日には6000人を超えた。今年の1月初めに3000人程度であったことと比較すれば、2倍程度に増加している。

つまり、アメリカでは事態が劇的に改善しているが、日本では悪化しているのだ。

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