スタバコラボ店舗の「マリトッツォ」超話題のワケ 無名の「プリンチ」がなぜ単独で開店できたのか

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ここで不思議に思うのが、ネームバリューがあるスタバとの併設店舗がオープンして数カ月後という早いタイミングで、無名の「プリンチ」がベーカリー単独店として稼働した理由だ。

スターバックス コーヒー ジャパン新業態推進部プリンチ営業部マーケティングマネージャーの佐久間大輔氏は次のように説明する。

「中目黒の店舗で、ベーカリーを日常的に使いたいというお客様の声が寄せられたためです。カフェ併設のためもちろんカフェ利用のお客様が多いのですが、パンだけを求めるお客様も予想以上にいらっしゃったわけです。そこで、より多くのお客様にプリンチのベーカリーを味わっていただくため、単独店の開業を急ぎました」

「本物のコルネッティがあるのはここだけ」

同ブランドの大きな特徴が、イタリアの本物の味わいを大切にしていることだ。例えば定番商品の一つである「コルネッティ」で説明するとわかりやすいかもしれない。

コルネッティ。イタリアでは中に甘いジャムなどを詰めたコルネッティを、コーヒーと共に楽しむのが朝食の定番。右から、プレーンのコルネッティは持ち帰り291円、店内利用297円、ヘーゼルナッツ味のノッチョーラ、ブルーベリー味のミルティッロは各持ち帰り367円、店内利用374円(撮影:今井康一)

イタリア語で「小さな角」という名称のとおり、尖った形状をしており、バターを折り込んで焼きあげる。ほとんどフランスのクロワッサンと同じなのだが、本場の人に言わせるとあくまで別の食べ物。

とくに代官山の店舗ではイタリア人も多く、「本物のコルネッティがあるのはここだけ」と通ってくる客もいるそうだ。

日本人の好みに合わせてアレンジするということもなく、イタリアの味をそのまま提供することにこだわっている。どのように本場の味を再現しているのか、ヘッドシェフの松田武司氏に聞いた。

「プリンチで使っている食材はすべて、創業者のロッコ氏が自ら味見をしたものです。しかも、輸送しているときに味が変化することも考慮し、日本に運ばれてきたものを一つひとつ吟味しています」

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