「禁酒令」でもう極限、酒販店が上げる怨嗟の声 業界団体首脳「感染拡大は酒のせいではない!」
黒字の会社は「1社もない」
――酒販店はコロナ禍でどんな影響を受けていますか。
榎本会長(以下、榎本):2020年は業酒連に加盟している酒販店の大半で、売り上げが半減する結果となった。新型コロナウイルスの感染が拡大した3月から売り上げが急減し、緊急事態宣言発令に伴い4、5月は前年比で9割近く落ち込んだ。
そこから多少回復はしたが、2019年比で100%には到底いかない。業酒連加盟社(約200社)のなかで、2020年度を黒字で終えた会社は1社もない。
佐々木会長代行(以下、佐々木):この4月の売り上げも、2019年比で6割程度の減少が続いている。2度目の緊急事態宣言が解除された後、(時短要請が続く中でも)東京の飲食店の閉店時間は午後8時から午後9時にまで延び、多少はマシになった。だが、3度目の緊急事態宣言が発令されてからアルコール類はまったく動いていない。
――3度目の緊急事態宣言では、飲食店での酒類提供を実質禁止する要請が加わりました。
榎本:国税庁からも、(飲食店で酒の提供を禁止することを)「周知徹底しろ」という文書が(業酒連にも)送られてきている。
見方によっては、「酒屋に飲食店から酒の注文が来たら断れよ」という内容にも受け取れる。これでは(飲食店へ酒を売ることで商いをしてきた)われわれの事業の持続可能性が極めて低くなるし、存続に関わる問題だ。