田中:こうした政府の仕事は、企業で働くよりも発展空間が大きいと思いますか?
韓:そうでしょうね。より大きな影響力を発揮できますし、チャレンジの機会も多いです。企業であれば、たとえ国の中央企業でもあっても、職員数が省内の公務員数より多いということはありません。でも省の政府トップであれば、傘下にたくさんの部署があり、省内にはたくさんの公務員がいます。少なくとも僕にとって、それはとても大きなパイです。パイを得るために奮闘したいと思っています。
それに中国社会は「官本位」のため、いろいろなことの核心は最終的に政府内部で決定し、政府によって実行されます(※中国は完全な市場経済ではなく、市場は政府のコントロールを受ける)。
僕はこのような核心部分に入り、自分がよいと思うことを経済と社会の発展の中で実現したいと考えました。そんな風に人生の価値を実現できたらいいなと思うんです。
田中:なるほど、ビッグな夢ですね。では、馬那さんはいかがでしょう?
馬:私は女性ですので、男性のような大きな抱負はありません。まず、自分の興味のある仕事につければいいと思いました。それから安定ですね。
また私は北京の出身ではないので、北京に留まり、北京戸籍を取得できる職場に就職したいと思っていました。そんなとき、北京にある品質検査センターの募集を知り、まさにここだと思ったんです。
このセンターは政府の事業機関で、仕事は技術職ですが、それほどハードではありません。私の理想の職場にぴったりでした。他にも内定はもらったのですが、北京の戸籍がとれなかったり、仕事の内容に興味を持てなかったりしたので、断りました。
北京は環境も気候も良くない
蘇:私は最初から銀行希望でした、私も馬那さんと同じで、仕事の内容が好きかどうかが一番です。それと仕事時間があまり長くなく、自分の時間を取れること、忙しすぎず、暇すぎない仕事かどうかも考えました。私は主にこの2点ですね。
本当は実家のある江蘇省から近い上海で就職したいと思っていたんですが、インターンで銀行の広州支店に行ったら、生活環境も職場の雰囲気もすごくよくて、結局、そこに就職しました。
田中:北京に残ることは考えなかったのですか?
蘇:北京は環境も気候がよくないので。PM2.5は広州よりもずっと多いし、女性にとっては、湿度の高い広州のほうが、乾燥した北京より美容にいいです。
田中:大気汚染の影響は大きいですか。
蘇:大きいですよ。北京で就職した人はけっこう後悔しています。
孫:僕は旧正月に東北地方にある実家に帰郷して、冬休みをあちらですごしたんですが、やはり大気汚染の影響は大きいと感じました。故郷ではのどが痛くなるようなことは全くないのに、北京に戻ると、朝目がさめたとたん、のどが乾燥と炎症で痛くてつらいです。
蒼:僕も影響ありますね。去年、ルームメートが「北京の空気は悪い」とか「のどが痛い」とぼやいていて、僕は「お前、体が弱いんだろう」とからかっていたんですが、今年に入って、僕も同じようにのどが痛いです。
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