「私たちが危惧しているのは、アナフィラキシーが起こるかどうかよりもむしろ、重症化するかどうかです。気管支喘息がアナフィラキシーのリスクとはいえませんが、万が一、アナフィラキシーを発症したときに喘息発作も誘発されて、重症化する恐れが考えられます。ただその場合も接種できないわけではなく、重症化した際の体制が整っていれば接種は大丈夫です」(浅野さん)
同じアレルギーでも、花粉症やアレルギー性鼻炎、食物アレルギー、ラテックスアレルギーなどはリスクになりにくいそうだ。アレルギーを起こす原因物質がそれぞれ花粉やダニ、ハウスダスト、卵、ゼラチン、ゴムであり、ポリエチレングリコールとは違うためだ。
ただし、過去に原因がわからないアナフィラキシーを起こしている人、医薬品でアレルギー反応が起こっている人は要注意とのこと。これに関しては、厚生労働省がホームページ(厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」)で紹介しているので、気になる人はチェックするといいだろう。
新型コロナワクチンの1回目の接種でアナフィラキシーが起きた人は、原則、2回目は打てない。海外では違うメーカーのワクチンを打つ方法も試験的に行われているが、「勧められません」(浅野さん)。軽いアレルギー反応が出た人は注意が必要になるが接種は可能だ。
有効性については、「1回だけの接種では、臨床試験で明らかになった高い有効性は得られないでしょう。ですが、アナフィラキシーが起こったからといって接種したワクチンの有効性が消えるわけではないので、1回分の効果はあると考えられます」(浅野さん)。
心配な人は誰かの付き添いを
最後に、アナフィラキシーが心配な人に対して、浅野さんは「接種をする際に誰かに付き添ってもらうとよい」とアドバイスする。
接種会場が広かったり、接種後の待機者が多かったりすると、会場にいる医療従事者が十分に目配りできないため、症状の発見が遅れる可能性がある。そんなとき付き添いがいればすぐに気付いて、医療従事者を呼んでくれるので安心だ。
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