アナフィラキシーが怖い人に知ってほしい真実 コロナワクチン打った後にもしも起こったら?

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新型コロナのワクチンとアナフィラキシーに関して、日本アレルギー学会の浅野浩一郎さんにも取材した。

同学会は先に紹介したアナフィラキシーのガイドラインのほかに、今年3月には適切にワクチン接種を行うための指針「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」を発表している。浅野さんは、指針を作成した同学会COVID-19ワクチンに関するアナウンスメントワーキンググループの委員長で、東海大学医学部内科学系呼吸器内科学教授だ。

「これからワクチン接種の対象となる方にお伝えしたい。アナフィラキシーは初期対応さえ間違えなければ、筋肉痛や倦怠感といったほかの副反応と何ら変わりありません。適切に治療をすれば、経過を見るために入院してもらう必要があるかもしれませんが、後遺症も残らず回復できます」

呼吸器内科医として、現在も神奈川県にある大学病院で多くの新型コロナウイルス感染症の患者を診ている浅野さん。重症化したときの状況はもちろん、治ってもなお患者を苦しませる後遺症の状況をもよく知る。だからこそ、「アナフィラキシーを理由にワクチンを接種しないのは、デメリットが大きすぎる」と話す。

アナフィラキシーは怖い。そんなイメージがわれわれにあるのは、全身に一気に症状が表れ、呼吸が苦しくなったり、意識を失ったりするからだ。だが、浅野さんによると、それは適切な初期対応で何とかなるという。

初期対応とは、具合の悪い人をすぐに見つけ、症状などからアナフィラキシーかどうかを診断し、そのうえでアドレナリンを太ももに注射する、というものだ。必要に応じて生理食塩水の点滴も行っていく。

アナフィラキシーが体に与える影響

では、アナフィラキシーになると全身ではどんなことが起こるのか。

まず、アレルギー反応によって、免疫細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され、その作用で血液の液体成分である血漿が血管外へ漏れ出る。唇やまぶたが腫れたり、じんましんが出たりするのは、漏れ出た水分が皮膚や粘膜にたまるためだ。重症化すると、大量の血漿が血管外に漏れて血液量が減るため、大量出血したときと同じように血圧低下や意識の低下が起こる。

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