意外にハードル低い?「電車の貸し切り」利用法 路面電車やローカル私鉄は低料金で実現可能

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たとえば、先に挙げた都電荒川線を貸し切り運行するにはどうするか。

都電の貸し切り運賃は片道運行1回ごとで、一般1万3820円、学生(大人)は1万2290円などとなっている。平日は10時から15時まで、土休日はこの限りではない。2カ月前の月初め1日から申し込みを受け付けているという。車両も指定可能だ。この金額なら、ちょっとしたイベントなどで貸し切り運行ができるだろう。ただし、現在はコロナ禍で貸し切りの受付を休止している。

広島を走る路面電車、広島電鉄も貸し切り利用が充実している。車両は運行路線により連接車もしくは単車と決まっており指定はできないが、平和学習で650形被爆電車を希望する場合は相談に応じるという。運賃は路線ごとに決まっており、たとえば市内線(白島線を除く)の単車の場合は1行程1万8240円となっている。

ローカル私鉄は貸し切り対応が充実

貸し切り列車への対応は、ローカル私鉄などが充実しているケースが多い。例えば千葉県の銚子電気鉄道だ。

現在はコロナ禍で受付を中止しているものの、飲食物の持ち込みや記念イベントなどの要望にも応じるという。料金は80人まで5万4400円。基本料金の中には、貸し切り電車1往復・乗車当日の1日乗車券・仲ノ町駅の入場券・犬吠駅の銚電写真館入場料、といったものが含まれている。このほかにさまざまなオプションもあり、全般的にサービスが充実している。また、ふるさと納税の謝礼品としても貸し切り電車を利用できる。

同じ千葉県の第三セクター、いすみ鉄道では、同社の「いすみ形」だけではなく急行列車に使用されている国鉄型の気動車、キハ28・52も貸し切りにすることができる。車両によって異なるが、平日の料金は9万円~15万円となっている。弁当の手配も可能だ。

大手私鉄で貸し切り列車に力を入れているのは近鉄だ。近鉄には「楽」(20000系)という団体専用車があり、これはイベントなどでの運行を除けば団体でしか乗車できない貴重な車両だ。貸し切りにする場合は団体運賃と貸切料金で利用できる。近鉄に問い合わせてみると、80人以上の料金が払えるなら貸し切りにできるという。1人当たりの料金は大人400円、子ども200円とのことだ。ちなみに「楽」1編成の定員は164人である。

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