デビュー曲は「Feelinʼ Good -Itʼs PARADISE-」。ストレートなラブソングだが、いまと変わらぬISSAの伸びやかなボーカル、またラップパートが入るタイミングも絶妙で心地いい。もちろんMVでは、4人のダンスも大きな見どころになっている。これがオリコン週間チャートのトップ20入り。続く2曲目のシングル「Love Is The Final Liberty」(1997年)では同チャート初のトップ10入りとなり、DA PUMPはブレークを果たした。
そしてCMソングにもなった軽快なポップチューン「Rhapsody in Blue」(1998年)で、1998年の『NHK紅白歌合戦』に初出場。以降、2002年まで五年連続で出場する。当時、ジャニーズ以外の男性アイドルグループがこれほど長く連続出場するのはまれなことだった。
さらにグループ最大のヒット曲になったのが、「if...」(2000年)である。別れた恋人への断ちがたい思いを歌った切なさたっぷりのミディアムバラード。特にこの曲では、それまで以上にラップの存在感が増している。サビの部分では、ISSAのボーカルに加えKENのラップがほぼ均等と言っていいほどのパートを与えられ、曲にアクセントと高揚感をもたらしている。この「if...」が収められたベストアルバム『Da Best of Da Pump』(2001年)もヒットし、ミリオンセラーになった。
ジャニーズとDA PUMP
DA PUMPは、自己主張としてのダンスの魅力を世に知らしめた点で女性アイドル歌手での安室奈美恵と似た役割を果たしたと言えるだろう。ただ男性アイドルの場合は、女性アイドルとは少々事情が異なる。これまでもみてきたように、ジャニーズもまたダンスに対して並々ならぬ情熱を注いできた。
海外で長期レッスンを敢行した初代ジャニーズやオリジナルミュージカルを長年上演し続けた少年隊を思い出すまでもなく、ダンスはジャニーズのエンターテインメントの基礎中の基礎にあたるものである。一時期、ジャニーズJr.には歌や演技のレッスンがなくダンスレッスンだけであることが話題になったが、それもまた裏を返せばジャニーズにとってのダンスの重要性を物語る。
では、ジャニーズとDA PUMPのダンスにはどのような違いがあったのか。それはひと言で言えば、舞台とストリートの違いである。
ジャニーズのダンスは、ここまで再三述べてきたように、オリジナルミュージカルなど舞台のための欠かせないスキルとしてある。ジャニー喜多川の指導とプロデュースのもと、アメリカのショービジネスをお手本にしながら、そこにジャニーズ流のアレンジを加えながらかたちづくられてきたものだ。
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