証券詐欺提訴で激震のゴールドマン、ウォール街の全面洗い直しへ発展も

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ところが、GSにとってそれでは罪を認め、かえって社名を汚すことになるため、簡単には妥協できない。その一方でSEC提訴に対抗するには長期の裁判に巻き込まれることになり、裁判を通じて、会社運営上、伏せておきたいことを表ざたにせざるをえなくなる。いずれにせよGSが失うものは大きく、また、同じような活動をしている他の投資銀行もその投資手法の変更を迫られる。

防衛上、GSは、今回の投資商品の取引相手は大手投資家だけであり、彼らは自分たちが被るリスクの水準について識別する能力が十分あると主張している。GSが組成した金融商品の価格があらかじめ下落するとわかっていて、それを顧客にわざと勧めたことは決してないと弁明している。

ますます落ちるGSの評価

GSが無実であることを証明するのは難しい。今回のSEC提訴以前、すでにGSは議会で袋だたきに遭っていた。08年の金融危機から立ち直る過程であげたGSの高い収益は不公平だという認識が議会には根強い。昨年、英紙で報道されたGSのロイド・ブランクファィンCEOの発言には誰もが衝撃を受けた。GSは「神の仕事をしている」とブランクファイン氏は言ってのけたのだ。

この発言によって、GSをはじめ、ウォール街の投資銀行は自分たちだけのルールでプレーしているという認識が強まり、GSの評価はますます落ちた。

ブランクファィン氏がGSの内部で行われていることを熟知しているのであれば、彼は証券詐欺容疑に加担していることになり、逆に内部事情を知らないのであれば、彼は無能だというレッテルを張られることになる。いずれにせよ、リスクに対して慎重かつ信頼に足る投資銀行であるというGSの評価は痛く傷つく。

国際通貨基金(IMF)の元エコノミストのサイモン・ジョンソン氏は「GSは顧客に信頼感を与える存在だったが、今や巧妙なやり口で顧客から巻き上げている」と書いている。テッド・カウフマン上院議員(民主党、デラウェア州選出)は歯に衣着せぬ物言いで知られるが、最近こう述べている。「証券詐欺や隠れた犯罪行為があの金融危機の元凶だった」と。上院司法委員会のメンバーでもあるカウフマン議員は、GSやその他のウォール街の投資銀行に対して刑事訴訟も辞さない構えだ。

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