トップは34%「再婚割合」47都道府県ランキング 子育て支援のほかに少子化対策でできること

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ランキング下位エリアの中でもこの3エリアは、それぞれ8.6万件、4.6万件、3.4万件と結婚の成立数も非常に多くなっています。なんとこの3エリアだけで合計16.6万件、総婚姻数の27.7%を占め、初婚同士だけでみると28.8%にのぼります。

47の都道府県があれども、未来の子どもを生み出すカップルの約3割が3大エリアで成立しているのです。

北陸の4県はすべて再婚割合で下位に

一方、北陸地方がすべてランキング下位にランクインしています。こちらは成婚数で見ると少なく(新潟県以外は総結婚数5000件未満)となっています。新潟県は20代前半を中心とした独身女性の県外への転出超過数(転出数-転入数)が全国でトップクラスのエリアです。

また富山県、福井県は、県外への転出控えが生じたコロナ禍元年であっても、それぞれ男性の2.2倍、1.8倍の女性が転出超過で減ってしまいました(石川県は1.3倍)。

人口動態的にみると、初婚同士で結婚をするライフデザイン以外が選択しづらいために、それにあわない女性は独身段階で転出してしまう傾向があるために、再婚割合が低く算出されるエリアである可能性も指摘できます。

話は最初に戻りますが、赤ちゃんが生まれる数は初婚同士の結婚件数と強い相関があります。そして、「結婚件数が多く、かつ、初婚同士の結婚割合も高いエリア」すなわち「20代人口が集まるエリア」において、赤ちゃんが多く生まれる、ということになります。

子育て支援は大切ですが、出生数の減少を食い止めたいのであれば、まずは20代人口が地元を離れるその理由を「少子化対策」の最重要課題として、人口減少県は真剣に考える必要がある、といえるでしょう。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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