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自分最優先で「生きたいというわがまま」の必要 寝たきりでも働ける「分身ロボットカフェ」始動

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  • 佐藤 智 ライター・教育コラムニスト
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――オリィさんはこうした「ありがとう」を一方的に言い続けるような関係性の問題を解決したいのですね。

寝たきりでも働ける「分身ロボットカフェ」(写真:オリィ研究所提供)

私は「孤独の解消」をミッションにしているのですが、「孤独=1人でいること」ではないと考えています。私は孤独とは、「誰ともつながりを感じられず、この世界に居場所がないと思う状態」と定義しています。人が孤独に陥らず生きるためには、他者から「ありがとう」と言われ、自分も「ありがとう」と言える関係が必要です。私はOriHimeを通じて、その機会をたくさん創出していきたいと考えています。

どうやって自分を「生かすか」を最優先に考える

――番田さんは「ありがとうの負債」をつくらず、「生きること」を求め続けたのですね。

番田は学校に行ったことがなかったことが影響してか、わがまま言い放題のところがあったんです。「ここは遠慮するところだろう」とか「ここまでやってもらっては申し訳ないだろう」という感覚が、番田にはあまりなかったんですね。だから、私とも周囲ともぶつかることがたくさんありました。

とはいえ、障壁がありながらも絶対に諦めない心を持っていたから、発信を続け、私を見つけ、やりたいことを実現できたんです。もし、彼が空気を読むタイプだったら私たちは出会ってもいません。番田はあごを使って6000通以上メッセージを送っていましたが、その中の1人が私でした。

――番田さんと一緒に働く中でどのようなことを感じましたか。

番田は、誰かの役に立ちたいと人一倍思っていました。しかし、それは「人のために働きたい」という発想ではなく、「自分を生かすために誰かの役に立ちたい」という思いから。つまり、「自分を生きたい」からこそ、人の役に立ちたいと考えていたのだと思うのです。

私もこの考えに賛成です。もし、自分が人の役に立とうとするあまり、疲弊していくのであれば、それはしないほうがいい。まずは自分を生かすことを優先しないといけません。つい人は自己犠牲のもと、仕事をしてしまいがちです。しかし、われわれはどうやったら自分を殺さずに済むかを考えることを最優先にしたほうがいいと思うのです。

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【社会の中で助け合える仕組みを作る】

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