ヤフーとDeNAがパソコン向けソーシャルゲームで提携、未開の成長市場で強者がタッグ
パソコンと携帯のトップサイト同士がソーシャルゲームでタッグを組んだ。
ネットサービス最大手のヤフーと、携帯電話向けゲーム・交流サイト最大手級のモバゲーを運営するディー・エヌ・エーは27日、パソコン向けソーシャルゲームの運営で業務提携すると発表した。
ヤフーのパソコン向けサイトに新サイト「Yahoo!モバゲー」をこの夏の終わりまでに開設、ディー・エヌ・エーが携帯向けに運営しているモバゲーを、パソコン上でも利用できるようにする。ヤフーのIDとモバゲーのIDを連携させ、利用者は携帯ではモバゲーで、パソコンではYahoo!モバゲーで同じゲームを遊べるようになる。
今回両者が提携したソーシャルゲームとは、利用者同士の交流をゲームの中心的な要素にした種類のゲーム。釣りゲームや農場経営ゲームなどといった利用者同士で協力しあったり、妨害し合いながら、競うゲームなどがある。基本的にはゲーム内で利用するアイテムやゲームを有利に進められる機能を有料で販売するビジネスモデルとなっている。
日本では、グリーが携帯電話向けの釣りゲームで先行、その後、ミクシィがパソコン・携帯のプラットフォームを開放して追随(ゲーム自体はサードパーティが提供)、ディー・エヌ・エーも昨年秋に参入し、急激に業績を拡大している。
今回の提携についてヤフーの井上雅博社長は、「ソーシャルゲームは世界的に急成長しているが、その中心はパソコン向け。しかし日本では携帯電話向けが先行し、パソコン市場のポテンシャルは非常に大きい。ソーシャルゲームでノウハウを持つモバゲーを導入することでパソコン向けソーシャルゲーム市場を獲得できる」と説明する。
ヤフーはこれまでSNSなど交流要素を含めたサービスに挑戦してきたものの、さしたる成果を上げることはできなかった。ディー・エヌ・エーと組むことでテコ入れを狙う。
一方、ディー・エヌ・エーの南場智子社長も「パソコン市場は非常に有望。パソコンに市場を持っていないモバゲーが、パソコン市場でダントツのヤフーと組むことでパソコン市場で急成長することが可能になる」と言う。