就活生に教えたい会社選びで「最も重要な点」 入ってから後悔することないように今考えよう

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会社員時代、営業、商品開発、経営企画等々さまざまな仕事を担当し、新卒採用にも10年携わりました。会社説明会で出てくる質問は給料、転勤の有無、福利厚生、休暇は取れるかなど。目に見える基準だけで志望先を決めている感じがした。そして入社後3年、苦労も多い下積み期間に「こんなはずじゃなかった」と辞めていく。

Want=自分は何をしたいのかという最初の問いかけが弱く、会社と相性が合わないことを知るリアリティーショックです。私は説明会では最初に必ず、ボタンを掛け違えて来ると不幸になるよ、と話をしました。自分が何をしたいか、あるいはどんな人間になるか「自分企画」をしてください。SPIの高得点の取り方や上手な面接のハウツーより格段に重要です。

自分本来の「Want」を知ること

──自分探し、ではなく自分企画。

青い鳥症候群に陥りかねない自分探しより、自分を企画したほうがワクワクするじゃないですか。

長田邦博(おさだくにひろ)/1960年生まれ。慶応大学商学部卒業後、日本水産入社。2010年同子会社モガミフーズ出向、取締役業務部長。12年武蔵野大学大学院人間科学研究科人間学専攻、修士課程修了。20年定年退職、21年組織人事戦略コンサルタントとしてグロナビ設立。国士舘大学経営学部非常勤講師。(撮影:尾形文繁)(撮影:)

まずは自分本来のWantを知ること。幼少期の好き嫌いから掘り起こしてもいい。アドラーは幼少期の回想を勧めていますが、人間は本来10歳までに思考の癖みたいなものができる。自分の素、根っこですね。プラモデル作りが好きだったなら、一から何かを作り上げる製造業が向いてるかもしれない、と考えるヒントになる。

そこから発想を広げていって、自分は今どんなときフロー状態になり没頭してしまうか。何にモチベーションのスイッチが入るか。過去、自分の転機になったと思う原体験、あのとき自分は成長したなと思う瞬間を拾い出してみる。心置きなく話せる人に「私の強みって何だと思う?」と聞いてみてもいい。他人の目を通して初めてわかることは多いです。

そうして洗い出した好き嫌い、強みを武器に自分を企画する。How to be=自分はどうありたいか。ブレない自分軸は就活においてだけでなく、人生の中で苦労したり挫折して立ちすくんだとき、自分を勇気づけ復活させる支えになってくれます。

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