日本人は「みんなと一緒が好き」という大誤解 欧米と比べて集団主義的傾向が強いのは本当か

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こんな調査をしてみました。ふたつの質問を用意します。

質問①「日本人は集団主義だと思いますか?個人主義だと思いますか?」
質問②「あなた自身は集団主義ですか?個人主義ですか?」
(2020年荒川和久調査。一都三県20-50代未既婚男女n629)

質問①に対しては、男女未既婚年齢関係なく、ほぼ9割が「日本人は集団主義だ」と回答します。しかし、質問②では、5割が「自分は個人主義だ」と回答したのです。

不思議ですよね。各個人は、日本人の9割は集団主義だと言ったのに、自分自身はどうかというと5割が個人主義だというわけです。つまり、「自分以外の日本人は集団主義だけれど。自分だけは違う」と5割の日本人が思っているという事です。矛盾するようですが「日本人は、個人主義者による集団主義」となります。

友達との同調を気にするアメリカ人

もちろん、ここでいう個人主義というのは、西洋でいうところの個人主義とはニュアンスが違います。西洋の個人主義とは「国家や社会の権威に対して個人の権利と自由を尊重することを主張する」ことであり随分と高尚なのですが、ここでの個人主義とは、もっとシンプルに、「集団の損得より、個人の損得を重視する」ということで理解していただければと思います。

「でも、日本人は空気読むし、みんなと一緒であることに安心するし、そもそも同調圧力は高いんじゃないの?」と、反論したい人もいるかもしれません。

こんな調査結果もあります。日本・アメリカ・中国・韓国4カ国の高校生を対象とした、国立青少年教育振興機構が実施した「2018年高校生の心と体の健康に関する意識調査」の中に、「友達と合わせていないと心配になるかどうか」を聞く項目があります。結果は、以下の通りです。

男女ともアメリカの高校生が群を抜いて高いことがわかります。日本同様、中国も韓国も低い。むしろ、空気を読み、友達との同調を最も気にするのはアメリカの高校生のほうでした。これは、意外な結果ではないでしょうか。

しかし、よくよく考えれば、同調行動の愚かさを描いた『裸の王様』は欧米の寓話です。空気を読んで同調するのは、決して日本人だけの特徴ではなく、外国でも同様なのだと考えるべきでしょう。

そもそも、同調行動とは、周りに同調したほうがメリットがある、または、リスクが少ないと考えればそうするという個人の損得勘定からだと解釈したほうがよいのです。言い換えれば、自分に得になるなら「みんなと一緒にする」だけのことなのです。

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