富士通は信用回復できるのか、露呈した企業統治への甘い認識


 北米でのリコール騒ぎや違反金支払いなどが相次ぐトヨタ、相も変わらぬ電力会社の原発事故隠しと、頻発する大企業の不祥事に、企業社会への信頼は大きく揺らいでいる。

ガバナンスの仕組み構築は、信頼確保のための最低限の枠組みにすぎない。それをきちんと運用する人間がいなければ意味がない。ガバナンスに対する社内意識を高めるのは、担当者の努力だけでは不可能だ。経営トップがどれだけ真摯に取り組むか、にかかっている。耳の痛い意見を言う部下を粛清するような組織では、いずれひずみが出る。

ある財界の重鎮の言葉を借りれば、「人格の高潔な者には地位を。功績ある者には報奨を」。

昨今の経営トップ交代会見で語られる新社長人選の理由の多くは「実績」であり、人格が語られることはまずない。そこから変えていかないかぎり、本当の信用回復は困難と言わざるをえない。
(シニアライター:小長洋子 =週刊東洋経済 撮影:梅谷秀司)

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