「劇的にまずい」レッドブルが大ヒットした理由 潜在意識のハッキングとプラシーボ効果の力
おそらくレッドブルの入った小さな缶が売られているのを見て、われわれは無意識にこう推測したのではないか。「あれは本当に強力な飲料に違いない。たっぷりと330ミリリットルも飲んだら頭がおかしくなるから、小さな缶で売るしかないのだろう」と。
2017年の『アトランティック』誌の記事で、ヴェロニク・グリーンウッドはこう述べた。カフェインとアルコールを含むカクテルと関連する危険な行為は、飲み物自体よりも、人がそれをどう認識するかによって引き起こされるのだろうと。
グリーンウッドは、カフェインがアルコールの影響を隠すからという懸念により、アメリカ・食品医薬品局(FDA)が2010年にそのようなカフェイン入りのアルコール飲料の販売を禁止したと説明した。
この理論は2013年の研究によって裏づけられたように見えた。その研究では、そういう飲料を摂取する人々が、カフェイン抜きのアルコールを摂取する人々の2倍、飲酒運転による交通事故や性的暴行を引き起こしやすいということが明らかになった。
グリーンウッドの説明によると、もっと最新の研究では、そういった効果が化学的なものというよりは心理的なものらしいとされているそうだ。
パリの男性を対象としたカクテル実験
インシアードとミシガン大学の研究者たちは154人の若いパリの男性に、エナジードリンクはアルコールの効果を強めると信じているかどうかを尋ねた。そして各自にウォッカとフルーツジュースとレッドブルでできた同じカクテルを飲んでもらったが、それらには「ウォッカカクテル」「フルーツジュースカクテル」「ウォッカレッドブルカクテル」という3種類のラベルが貼ってあった。
その後、すべての男性に3つの課題が与えられた。最初は金銭を賭けたゲームを行うが、そのゲームでは金を得るたびに風船を少しずつ膨らませる。風船が破裂したら、彼らは全額を失うことになるのだ。
次の課題は、何人かの女性の写真を見て、バーで彼女たちにアプローチしたら電話番号を教えてもらえるかどうかを考えるというものだった。
最後に、彼らは自分がどれほど酔っていると感じるか、どれくらい経ったら運転できると思うかを記入して、調査は完了した。
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