本当のホワイト企業、"トップ5"はどこか 新入社員に優しいだけでは、真のホワイト企業ではない

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こうしたさまざまな活動を行う環境面に優れた企業であることが、評価データを見るだけである程度わかるようになっている。

お買い得企業を探すなら、売上高3000億円が目安

ただ、このランキングは超大手企業が上位に入りやすい、という問題点がある。規模で区切ると、前出の東芝、トヨタ自動車やNTTといった、超大手以外の優良企業が見つかることも多い。以下では、売上高3000億円以下の企業を対象にした「中堅企業版・ホワイト企業ランキング」も作成した。

「売上高3000億円」は、上場企業の売上高でみると、だいたい上位10%前後のあたりが分かれ目になる。超有名企業以外の優良企業は、このあたりに存在していることが多い。

こうした区分けをすると、「中堅企業版」で見た1位は、スポーツシューズのアシックス。人材活用89.5点、環境87.0点、企業統治+社会性86.9点とバランスよく得点している。従業員にも社会にも環境にも目配りをしている、「信頼できる会社」といえそうだ。

このようにランキングを基本に、まず全体像を把握し、そこから「新卒3年後定着率」、「有給休暇取得率」、「女性管理職比率」といった個別のデータを見ていくと、効率よく良い企業を見つけることができる。

『本当のホワイト企業の見つけ方』では、企業に関しての見方を詳細にまとめている。本書では上記のホワイト企業ランキングも、より多くの企業を対象に掲載している。ぜひ参考にしていただきたい。 

 

働きやすくて、信頼される会社はここだ!
「本当のホワイト企業の見つけ方」
新卒定着率や育児休業取得率などの「働きやすさ」に加え、CSR(企業の社会的責任)や財務状況も考慮した「本当のホワイト企業」を見きわめる指標やランキングを徹底解説している。 

 

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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