コロナで「占いを信じる」20代女性が増える理由 調査とインタビューで判明した大きな変化

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なお、「生活定点」の調査では、「自分自身のことをもっと深く知りたい」とする20代女性の比率が伸びていました。前回から11.6ポイント伸びて39.6%となり、全年代で1位となっています。(全体平均17.1%、男性平均13.6%、女性平均20.7%)。こうしたことも無関係ではないように感じます。

(出典:博報堂生活総合研究所「生活定点」)

ほかにも、コロナ禍が長期化する中では 、

◼時間的ゆとりがある
20代女性71.8%(前回調査+5.1ポイント) 全体平均65.7%

◼自分の将来のことがストレス[ストレスを感じる人のみ] 
20代女性46.8%(前回調査+6.6ポイント) 全体平均29.4%

といった結果も出ています。

コロナ禍によって時間に余裕ができて生活が変わる一方、先行きの不透明さを抱える人は少なくありません。自分のことをもっと知ることで、今後への不安を少しでも払拭しようとしているのかもしれません。

もう少し掘り下げるべく、コロナ自粛中に占いにハマったという、Oさんにもインタビューしました。

Oさん(22歳/女性/大学生)

──占いにハマったきっかけは何ですか?
時間に余裕ができた分、有効に使わなきゃという気持ちがあって……何かしていないと「この時間を無駄にした」と後悔するのではと不安だったんです。家にいる時間を充実させたい気持ちがあったので、自分を飽きさせないために何かないかと探していたところ、自粛期間中にテレビでタロット占いをやっているのを見て始めました。タロットカードと解説本を買って、自分や友達を占っています。
──占いを始めて、何か変化はありましたか?
今までは動きまわってないといけないと思っていたけど、家にいても意外と平気だったり、1人になっていろいろ考えたら、実はこういうことのほうが自分に合ってて楽しいかもって気づきました。自分を見つめなおす時間になっていると思います。

時間に余裕ができた分、何かやることを探す中で占いにたどりついたというOさん。タロット占いが自分を見つめなおす時間となり、今までとは少し違う本来の自分に気づくきっかけになったようです。

今の自分を知るための新しい趣味

同じく、コロナ自粛をきっかけに新しい趣味を始めたというSさんにも話を聞いてみました。

Sさん(25歳/女性/会社員)

──コロナ禍をきっかけに、何か新しいことを始めましたか?
初めの時期は友人みんなで何かを共有するのが楽しかったけど、オンライン飲みも飽きて、おのおの好きなことをやり始めています。私は運動不足なのでアプリを見ながら筋トレをしたり、料理も始めました。会社の同僚は、きのこを育てたりぬか漬けをしたり……新しい趣味を始めている人が多いですね。前より外には出なくなったけど、やりたいことはいっぱいあります。
──なぜやりたいことがいっぱいあるのですか?
どこに自分らしさを出すか、自分のこだわりをどう突き詰めるかを、みんななんとなく探している気がします。何かをしているときのほうが、今の自分が何を好きなのかを感じやすいので。
ただ、これをやるべきというのはなくて、たくさんある選択肢の中で、自分は何をやったら楽しいんだろう、成長できるかな、というのを意識しています。つねに楽しくありたいし、幸せでありたい。
──何か目指している姿があるのでしょうか?
漠然と成長したい気持ちがあるだけで……今成長してる途中なんだっていう実感があれば十分です。
筋トレも、この体型になりたいからとゴールを置いた瞬間、強制されている感じがして苦しくなったり、自分のものじゃなくなる感じがします。それよりは、日々筋トレをやっていること自体に満足しています。続かなければそれでいいし、周りの人も自由にやっている人が多い気がします。

今の自分がどうしたら楽しく幸せでいられるのかを知るために、新しい趣味を始めたというSさん。何かをしているときのほうが、自分らしさが何かを感じやすい。つまり、新しい趣味は今の自分を知るための手段の1つだということです。時間ができて1人になったことで、意識がさらに自分に向いていったのだと思います。

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