SECがゴールドマンをいきなり提訴、金融界の回復に冷や水



「近年目立った実績もなく、無為無能の烙印を押されてきたSECが汚名返上を狙ったもの。CDOやCDSはプロが相手の市場。投資家保護や市場の透明性といったSECの論点には無理がある」(金融アナリスト)。

一方、勢いづくのが金融規制改革法案を推進する民主党議員だ。上院では早速、CDOなどデリバティブへの一段の規制強化策をまとめ、上程中の法案に盛り込んだ。また、今回の取引で損失を被った投資家の本国である独英の政府・金融当局も、独自に調査の意向を示している。

SECは他の金融大手も別件で捜査中。AIGのゴールドマン告訴も予想され、波紋は拡大の様相だ。

最近発表された1~3月期決算では、純利益でゴールドマンが前年同期比91%増の35億ドル、シティグループが2・8倍の44億ドル、JPモルガン・チェースが55%増の33億ドルなど急改善。不良債権比率も低下傾向に入った。

しかし今後、訴訟や規制強化が新たな収益の圧迫要因となる可能性もあり、「不透明感で、大きなビジネスジャッジもできない」(米金融関係者)との声も出ている。

(中村 稔 =週刊東洋経済2010年5月1日号)

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