オバマの“画期的な”医療保険改革法が成立、だが有権者に高まる不満、中間選挙は苦戦必至

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 当然、増税、保険料負担を伴うが、議会予算局によると、高齢者にかかる保険(メディケア)によって医師・病院への支払いが10年間に1430億ドル減少し、その分が節約になるというのだが、医療システムはその範囲が広く、また、制度変更がかなり大幅なため、予想外の費用が発生する可能性がある。

高齢者の中にはメディケア向けの支払い削減によって、これまで彼らが受けている医療サービスの質的劣化を心配している。高齢層は若年層よりも民主党に対する支持率が高いため、民主党にとっては痛手となる。

医療保険をすでに購入している中間所得層は、これまで医療保険でカバーされていない3200万人に医療保険が施されることによって、その保険費用の負担を負うことになるのではないかと懸念している。

それでなくとも中間層は過去十数年間に高い失業率を経験し、さらに医療保険料や大学授業料の値上がり負担を負ってきただけに、これまでの無保険の人たちに保険を施すことに伴う負担増について、政府に対してふんまんを抱いている。そのふんまんは当然、民主党に向かうことになる。

もちろん、民主党議員は医療改革に伴う増税を心配している。それに、いままで無保険だった病人が保険によって医療を受けられるために生じる保険料の値上がりのほうが、有権者が保険によって得をすると思うプラス効果よりも先になるという、選挙にとってはマイナスインパクトが働く。

オバマ大統領はこの点について選挙民に不安を与えないようにしっかり説明しようとしている。今回の法律は向こう4年間で段階的に実施されていくが、まず初年度には重要なプラス要因が含まれているというのである。

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