ANA元社長が語る希代の財政家・山田方谷の魅力 コロナ危機の今こそ「至誠惻怛」が身に染みる

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――その山田方谷をNHK大河ドラマで取り上げてもらおうという運動をされているそうですね。

山田方谷という人物をぜひ、多くの国民の方に知ってほしい。そういう思いから、6年かけて 100 万人分の署名を集め、2020年 2 月にNHKに届けた。今のところ何の反応もないが(笑)。

――どういったきっかけで大河誘致運動に至ったのでしょうか。

社長になって山田方谷関連の書籍を読み漁っているうちに、かねてから親しくしていた(東京海上火災保険の社長を務めた)樋口公啓さんが方谷研究の第一人者だということがわかった。それで樋口さんに会いに行って、意気投合し、2人で「方谷を訪ねる会」を立ち上げた。私的勉強会レベルのものだったが…。

さらに、われわれがそんな活動をしていることを知って、声をかけてきてくれたのが、方谷直系の子孫で、6代目の野島透さんだ。

方谷の言葉には人柄が表れている

――元財務官僚で、方谷関連の書籍を多数書かれている方ですね。

大橋氏は「山田方谷をNHK大河ドラマに」と訴えている(撮影:尾形文繁)

そう。野島さんは現役時代から方谷の研究を精力的にされており、大河ドラマで方谷を取り上げてもらうことが悲願なんだと。その熱意に押されて私たちも協力することにした。

――大橋さんらとともに方谷の大河誘致運動に参画しているメンバーには、橋本徹みずほフィナンシャルグループ名誉顧問や、元通産省事務次官でアラビア石油社長に転じた小長啓一氏ら、岡山県出身の著名財界人が名を連ねています。歴史上の偉人も、浄土宗の法然や水墨画の雪舟、宇喜多秀家、緒方洪庵に犬養毅など多士済々ですが、方谷に100万人もの署名が集まった理由は何でしょうか。

やはり人柄だろう。方谷の言葉には彼の人柄が表れている。

――大久保利通からも大蔵大臣への就任を度々要請されますが、断ってしまいます。そうした控えめなところも魅力ですか。

明治政府で活躍していたら教科書に載るだけの活躍をしたと思うが、この人は後半生を教育に捧げる道を選んだ。本当に浮ついた噂一つない、堅い人。現代に生きる経営者にも響く言葉を残した岡山の逸材を、ぜひ全国区にしたい。2~3年以内にNHK大河での採用を決めてもらえるように頑張る。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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森 創一郎 東洋経済 記者

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もり そういちろう / Soichiro Mori

1972年東京生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。出版社、雑誌社、フリー記者を経て2006年から北海道放送記者。2020年7月から東洋経済記者。

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