脳の仕組みを知れば一変!集中力を鍛えるコツ 3つの「情報処理ネットワーク」を意識する
脳は1万年前と大きく変わっていない
電信柱の例で言えば、駅までの道を歩くとき、ぼんやり考えごとをしていても駅にたどり着けるのは、デフォルトモード・ネットワークが働き、経験と記憶に沿ってあなたを導いてくれるからです。
それでも途中で歩道が狭くなり、車が間近に通り過ぎていく場所や、赤になるとなかなか変わらない信号など、注意を向けないとネガティブな出来事が起きる危険性がある場所では、毎日、その道を通っていてもサリエンス・ネットワークが「!」とアラートを出し、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークにバトンを渡します。これは私たちに危険を回避する本能があるからです。
話はいきなり壮大になりますが、私たちの脳は1万年前のホモ・サピエンスと大きく変わっていません。太古の昔、原野で暮らしていた私たちの祖先は、多くの生命の危機に晒される環境の中で生きていました。その環境下で生存競争に勝ち抜くため、生きるか死ぬかの重要な情報に注意を向けることを最優先事項とした仕組みが進化していったのです。
一方で、「お気に入りのパン屋のショーウィンドーに新作が出ている!」「この間、閉店した店で改装工事が始まった!」といったポジティブな変化に対してもサリエンス・ネットワークは反応し、好奇心を伴った形でセントラル・エグゼクティブ・ネットワークが働き始めます。
かなり簡略化していますが、いつも通る道を歩くとき、私たちの脳ではこんなふうに脳の情報処理ネットワークが切り替わり、注意を向ける対象を選んでいるのです。
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