山田邦子さん語る「バッシングと向き合うコツ」 還暦越えYouTubeに挑む彼女の「生き抜く秘密」

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お悔やみとか、事件についてコメントすることもあります。いろんな立場の人が見るので、みんな自分のことに置き換えて考えるきっかけになれば、と心がけています。

でも、やっぱりというか、きついコメントも来ます。「死ね」とか、「何様のつもり」というような類いのものです。時々、心にグサーッとくるような巧みな文章もあり、ある意味天才だな、と感心します。どうやってツボをついてやろうかとつねに考えているんでしょうね。そういう人は誰が相手でも待ち構えています。それはそれでYouTubeの1つの姿なのです。

そんな書き込みにもなるべく返事はします。「ごめんなさいねー」「不愉快でした?」「気をつけます」「がんばります」など。それがまた逆なですることもありますが、仲良くなることもあります。無視は簡単ですが、その人もSOSを出している側かもしれないと私は思うのです。

がんになったときも、似たようなことはありました。信じられないかもしれませんが、わざわざ直接会いに来て「なんでがん治ったの? 死ねばよかったのに」と言う人がいました。それは芸能人の方でした。一般の人でも似たような人がいました。「ほんとですねー」と言って、それ以上相手にしませんでしたけど。手紙でも来ました。わざわざお金を出して切手を貼ってまで送ってくるのは、もはや趣味なんでしょうね。今でもまだ言われることがあります。

そういう人は、ほかに楽しいことがないんですね。人に愛されるとか、ありがとうって言われたことが一度もないのかもしれません。こういうアンチの方の対処法というのもよく聞かれますが、これといったものはないです。嫌がらせをしてでも目立って、自分がここにいますという存在の証みたいなものなんじゃないでしょうか。

恋愛でもうまくいかないと悔しくて、その人を傷つけて心のなかにちょっとでも残りたい、こっちを向いてくれればいい、と悪者になっちゃう人っていますよね。完全に間違えていますけどね。でもね、私はそういうのもちょっと人間っぽいって思います。迷惑ですけどね。

応援してくれる人はたくさんいる

バッシングを受けて、苦しくなったり病んじゃったりする人も多いですよね。残念なお別れをした方もいました。みんなまじめな方たちでした。私だって、もういっぱいいっぱい、キワキワだなという精神状態のときはあります。元気出せって言ったって、出ないときは出ないですよね。

ただ、もし今悩んでいる人がいたら、「みんな悩むよ」ということは言いたい。同じような悩みを抱えている人はほかにもいます。1人じゃないことが少しでも支えになるといいなと思います。

そして40年間、いろんな経験をして変わったのは、相手がいることの場合は、「死ぬのは私ではなく、お前だ!」と振り切れるようになったことです。え、怖いですか? 呪文みたいなもんです。ご安心を。これも“生き抜く力”です。究極、生き方も死に方も自由だと思いますが、もう少し、生きてみましょうよ。大変なことは目立つけど、本当はいいことのほうが多いんです。

私も嫌なことの何倍も、素晴らしいことに出会ってきました。嫌なことはあまりないのに印象に残りやすいだけです。巣鴨のおじいちゃん、おばあちゃんも言っていました。「何もないことが幸せじゃ。何かあったときは大変だ」って。悪いことを言う人は目立ちます。だけど応援してくれている人のほうがずっと多い。

もう嫌になった、死にたいと思ってしまったときは、そのことに気がついてほしいと思います。優しい人っておとなしいから目立たないけど、いっぱいいるんですから。 

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