中国人が常に使う「紅いグーグル」百度の正体 政府から見て有害だと思われるサイトも遮断
そしてリーが検索エンジンの開発者として在籍していた1996年、インフォシークは株式上場を果たす。
ネットバブルの目撃者となったリーは、こう考えた。
「中国でも同じことができるのではないか」
1999年、リーが働いていたインフォシークはディズニーに買収され、検索サービスからも撤退してしまう。検索エンジニアのリーは職を失った。この一件がリーの背中を押す。
インフォシークで学んだ手法でベンチャーキャピタルから120万ドルを調達し、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる北京・中関村でエリック・シューとともにバイドゥを旗揚げした。
リーはまず、中国内のポータルサイトに中国語の検索技術を売り込む。新浪(SINA)、搜狗(ソウゴウ)といった人気SNSが顧客についた。2001年には自社の検索サイトを開設。当時は目立った競争相手もいなかったため、あっと言う間に7割のシェアを獲得した。2005年にはバイドゥをアメリカのナスダック市場に上場した。
中国イチの資産家になる
2006年には最大の脅威であるグーグルが中国に上陸したが、中国政府の検閲政策により4年で撤退している。国家に守られたリーは、2011年と2013年、「中国一の資産家」になっている。
その代償として、リーはバイドゥのサービスの中で中国政府が検索ワードを検閲することを認めた。例えば「天安門」や「ダライ=ラマ」といった中国政府が国民に触れてほしくない情報を検索しようとすると以下のメッセージが表示される。
「法律法規や政策に合致しない恐れがあるため、検索結果を表示できません」
「グレートファイアウォール(防火長城)」と呼ばれる中国政府から見て有害な海外サイトを遮断する仕組みを受け入れたのだ。
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