日本の食品「輸入依存」で連鎖する巨大なリスク サバなど一定水準の輸入はもう期待できない
コロナ禍で「内食」志向が完全に定着化してきているなか、さまざまな食材の価格が上昇している。
総務省の家計調査(2021年1月)では、新型コロナで消費行動に大きな影響が見られた品目として、内食ではパスタ(前年同月比27.4%増)、即席麺(同26.8%増)、生鮮肉(同12.3%増)、チューハイ・カクテル(同31.6%増)などを挙げている。家庭内需要が大幅に増加したためだ。逆に外食は、食事代(同36.3%減)、飲酒代(同90.8%減)と大幅減となっている。
じゃがいもの価格高騰
2月以降も身近な食材の値上がりが相次いでいる。その象徴が、子どもから大人まで大好きなじゃがいも。価格高騰の原因は、国内生産の8割を占める北海道産の不作だ。農林水産統計によると、2020年産(春植え)のばれいしょは、収穫量、出荷量共に前年比8%減だった。
東京都中央卸売市場の1日平均入荷量(3月第3週)は247トンで、前年同期の88%、取引価格(相対の高値)は10キロ=3240円で、前年2160円の1.5倍だ。当然、小売り価格も跳ね上がる。近所のスーパーでは1袋198円で売られていた4、5個入りが、280円前後になっていた。
じゃがいも以外の主な値上がり品目について、小売物価統計調査で東京都区部の販売価格を比較してみた。
値上がりの背景には不漁、不作や巣ごもり需要の高まりの影響があるとみられる。もちろん、値下がりした食材もあるので一概には言えないが、コロナ禍で収入が減っている世帯にとって、日常的に使用頻度の多い食材の値上がりは厳しい。
国内における一時的な値上がりだけなら、やがて沈静化すれば大きな問題にはならない。
しかし、不気味な事態が世界的規模で進行中だ。食料価格の高騰だ。国連食糧農業機関(FAO)の発表(3月4日)によると、2月の世界食料価格指数は平均116.0ポイントとなり、前月の113.2ポイントから上昇した。
9カ月連続の上昇で、2014年7月以来の水準。砂糖と植物油価格の大幅上昇が押し上げ要因となった。穀物もこのところ価格が高騰している。
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