長瀬智也を唯一無二の俳優にした3つの拠り所

27年間、芸能界の最前線に立ち続けた彼の軌跡

企画ありき、テーマありきでものづくりをしていこうとする姿勢は既にクリエイターであり、自分がタレントとしてトップに立ち続けたいというような欲求とは、ひとつ区切られた場所にいるようです。今回のジャニーズ卒業に当たっても、あくまでオープンでクリーンに、声高にもウエットにもならず、その瞬間を迎えようとする姿に好感を抱く人は多いでしょう。

これまでの長瀬さんのキャリアを振り返ってみると、まず1993年に学園ドラマ『ツインズ教師』(テレビ朝日系)でドラマ初出演。1994年にはTOKIOのボーカルとしてCDデビューしました。

それ以降ドラマに出ながら、TOKIOとして音楽やバラエティ番組で活動。1996年、青春ドラマの『白線流し』(フジテレビ系)ではナイーブな高校生を演じて女性人気が高まり、同作はシリーズ化されました。2001年の『ムコ殿』(フジテレビ系)では、演じた歌手の桜庭裕一郎名義でCDや写真集をリリースしヒットさせるなど、アイドルとしては人気のピークに。

「イケメンの宿命」から解放してくれた宮藤官九郎

ただ、その桜庭役にしても「ひとりぼっちのハブラシ」というおかしなタイトルの歌を歌うなど、二枚目半のキャラクターでした。

同時期に『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)で宮藤さんと出会い、サブカルチャー色の強い演劇的な作品をこなしていくことによって、常にかっこよくなければならないという、いわゆるイケメンの宿命から早い段階で“降りる”ことができました。

そんなホームグラウンドとも言える座組があったことは、長瀬さんにとっては、大きかったでしょう。その後も、宮藤さんと組んだ『タイガー&ドラゴン』『うぬぼれ刑事』(いずれもTBS系)、映画『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016年)でコミカルかつ弾けた演技を見せ、女性だけでなく男性からの支持も得てきました。

また、TOKIOの活動でもアイドルながら『ザ!鉄腕!DASH!!』で農業に本気で挑戦するなど肉体労働も厭わず、視聴者が親近感を抱きやすい存在に。

そして、音楽活動ではアイドルバンドから始まったとはいえ、ボーカルだけでなく楽器を弾いたり作詞や作曲も手掛けたりし、クリエイティブな才能を発揮していきました。

2013年の「リリック」(主演作『泣くな、はらちゃん』主題歌)以降は、TOKIOのほとんどのシングル曲で長瀬さんが作詞作曲(ときに編曲まで)をしています。ドラマに主演し、その主題歌を自分で作り自分で歌うというスタイルは、多くの才能が花開いた平成の芸能界でも福山雅治か長瀬智也ぐらいしかいません。

次ページ長瀬智也がインタビューで語った「横浜人脈」
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