長瀬智也を唯一無二の俳優にした3つの拠り所

27年間、芸能界の最前線に立ち続けた彼の軌跡

さらに、生き馬の目を抜く競争社会である東京の芸能界を離れ、出身地の横浜で過ごす時間があったことも、長瀬さんの心の支えになっていたようです。筆者がインタビューした「横浜ウォーカー2018年初夏号」(KADOKAWA)ではそんなホームタウンに対する思いを語ってくれました。

高校生の頃から横浜港のあたりに遊びに行き、オートバイ好きの先輩たちと語らっていたと明かし、「そこでは僕が芸能界にいることなんて関係ありませんでした」「地元に帰り仲間と過ごす時間は、かけがえのないもの。実は仕事につながるスキルを獲得したり、いろんなことを創造できたりする時間でもある。それがあるからこそ、今でも仕事ができている」と告白しています。

彼の活躍を支えるホームタウンの「横浜人脈」

『空飛ぶタイヤ』の出演時には運送会社の若社長を演じるに当たり、横浜の友達で社長をしている人に話を聞いたということでしたし、『俺の家の話』でもプロレスラー役のため、幼なじみのプロレスラー勝村周一朗さんに相談して練習に付き合ってもらい、その成り行きで勝村さんがドラマ本編に出演することになったというエピソードも、長瀬さんの“横浜人脈”が活きた例でしょう。

TOKIOの最年少メンバーにしてグループの顔。27年間、役者も歌手もタレントもというハードなマルチタスクを健全に続けてこられたのは、きっと芸能界の競争原理とは別の価値観を持つ人たちと交流できる場があったから。

そう考えると、偶然にも長瀬さんの演じてきた役柄は『俺の家の話』のプロレスラー兼能楽師をはじめ、ヤクザで落語家であったり、ヤクザで高校生であったりと、いつくかの足場を持つ人が多かったのです。

そんな3つの拠り所を持ちながらアイドルを脱皮しクリエイターとなった長瀬さんなら、演出もやるけど今回は出るよという感じで、数年後、映画やテレビに復帰することもありえます。『俺の家の話』では、長瀬さん演じる主人公に長州力(本人役)が「何回引退しても、何回もカムバックすりゃいいんだよ」と声をかけるシーンがありました。

折しも、4年前にジャニーズ事務所を退所した草彅剛さんが、日本アカデミー賞主演男優賞を獲得したタイミング。信頼できるクリエイティブなチームと気の許せる仲間というものが俳優にとって一番の武器ということが証明され、今、芸能界は確実に変わり始めているように見えます。

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