メール読みは受け身。発信源に人は集まる--『朝イチでメールは読むな!』を書いた酒巻久氏(キヤノン電子社長)に聞く


--人材は1に素直さ、2に体力、3、4がなくて、5に体力とも強調しています。

技術開発を手掛けてきて、いくつも特許を書いてきた。そこで、いい商品を出す人をずっと見る機会に恵まれたが、特許でもたくさん書いている人は人柄のいい人が多い。その人たちというのはいずれも素直な人だ。それに体力がないといけない。病気になると、どうしてもおかしな発想をするようになる。もちろん加えて、地頭がよければ最高で、ポイントを押さえるのに長けるが、いずれにせよ、いいもの出すのは人間性。

--人間性では必ずしも企業で出世はしませんね。

人柄がよくてやさしく、体力がある人が上に上がれないことは日本では往々にしてある。これは、サラリーマン世界が間違った見方をしているからだ。人のいい人を、気が弱いから、上に立つのは無理だろうと見がちだ。本当にやさしい人は芯が強い人でないと無理。そういう人を大事にする風土が日本にあれば、企業はもっとよくなる。

--研究者と経営者は違う?

研究者のほうが難しい。研究者はスパンが長い。いい商品をつくるなら10年先、20年先を見ていないといけないからだ。

(聞き手:塚田紀史 =週刊東洋経済2010年4月24日号)

さかまき・ひさし
1940年栃木県生まれ。67年キヤノンに入社。VTRの基礎研究、複写機開発、ワープロ開発、総合企画等を経て、常務取締役生産本部長。99年に現職就任。環境経営の徹底で高収益企業へと成長させる。著書に『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』『「会社のアカスリ」で利益10倍』など。

『朝イチでメールは読むな!』 朝日新書 777円


  
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