ヘッジファンド顔負け、次世代ロボアドの実力 高度な投資手法がより身近になりつつある

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そこで、2021年2月にサービスを開始したサステンは、ヘッジファンドが得意としてきた「絶対収益追求型」の高度な運用を、運用によって利益が出たときだけ手数料が発生する「完全成果報酬型」で提供している。

同社は公募の投資信託を3つ組成。投資家とは一任契約を結び、この3つの投資信託に対する投資額の配分を変えることで、顧客のリスク許容度や投資スタイルに合った運用を提案する。3つの投信のうち、2つはよくある国際分散投資型で、それぞれ株式と債券のETFが組み入れられている。

残る1つの投信が肝である絶対収益追求型の運用を行う投資信託だ。この投信は、市場環境に左右されず、一定のリターンを安定して出せるような運用を目指す。

完全成果報酬型でリターン目指す

サステンの投信(グローバル複合戦略ポートフォリオ)はゴールドマンサックス出身で運用責任者の山口雅史氏のノウハウを基に、株価指数や為替、国債の先物を組み入れている。ショート(カラ売り)を組み合わせることで、株価指数との連動性が低くなるように設計されている。

さらに、運用成績が悪化した月や改善していても評価額が過去最高を更新しなければ、顧客がサステンに支払う手数料は発生しない。こうした完全成果報酬型の手数料体系は、岡野CEOによれば日本初だという。

最低投資額は10万円からで、全体の投資額にもよるが、最高評価額更新部分に対して6分の1から9分の1が成果報酬費用となる。例えば投資額が100万円で、最高評価額を2万円更新した場合には、約2800円を成果報酬費用として払うことになる(ETFの信託報酬などは除く。出金時の手数料は一律400円)。

おまかせ運用にフィンテックベンチャーが相次いで参入するのは、機械学習などの技術が進歩したり、いくつもの市場のデータを機械で高速処理したりすることが容易になってきたからだろう。ただし、おまかせの運用といっても、投資家自身が運用方法や仕組みを確認し、よく理解してから活用を決めるのが大前提だ。

今後、テクノロジーを活用した資産運用の高度化と価格の低下はさらに進むと考えられ、働く世代の「新たな選択肢」として広がっていきそうだ。

梅垣 勇人 東洋経済 記者

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うめがき はやと / Hayato Umegaki

証券業界を担当後、2023年4月から電機業界担当に。兵庫県生まれ。中学・高校時代をタイと中国で過ごし、2014年に帰国。京都大学経済学部卒業。学生時代には写真部の傍ら学園祭実行委員として暗躍した。休日は書店や家電量販店で新商品をチェックしている。

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