「数学でつまずく人」が知らない日本語の使い方 数学の学びで極めて重要な「すべて」と「ある」

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実際、月と日で366通り、時で24通り、分で60通り、血液型で4通り、都道府県名で47通りがある。そこで樹形図の発想を説明しながら、それらに関するすべての場合の数は

366×24×60×4×47=99083520

と計算して、この数は現在の日本の人口約1億2500万より小さいので、納得してもらう。

中学や高校の内容に関しては、とくに「方程式」と「恒等式」の違いを指摘しよう。

方程式とは、たとえば

5x-3=2

のように、xなどの文字になんらかの数を代入すると等号が成り立つ「ある数」を求めるものである。この場合、方程式の解はx=1である。

一方、恒等式とは、たとえば

5x-3x=2x

のように、xなどの文字にどんな数を代入しても等号が成立するものである。

よくある誤った計算

この両者を混乱して、次のように答えを書く生徒が非常に多くいるので、筆者は教員研修会での講演のたびに、「ある」の方程式と「すべて」の恒等式を混乱しない指導を訴えている。

たとえば方程式

(x-1)/6 = (x+3)/4

を解く問題ならば、「両辺を12倍して」と書いて、

2(x-1) = 3(x+3)

と計算して答えを求めるのはいい方法である。

ところが、「次の計算をしなさい」という計算問題

{(x-1)/6}-{(x+3)/4}

を行うときにも誤って適用して、「両辺を12倍して」とか書いて、

2(x-1)-3(x+3)

という計算をしてしまう生徒が少なくない。これでは、正解の計算結果を12倍しているのである。

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