コロナで「売れた」「売れなくなった」商品TOP30 売れ筋商品はどう変化?ランキング最新版

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公共施設や店舗など、どこでも入場の際に非接触型体温計による検温が常態化したことが原因だろう。1月25日週の新3種の神器の前年同期比は、マスクが21.3%(前年同期比78.7%減)、手指消毒剤が34.2%(同65.8%減)だが、非接触型体温計は295.0%と、一時期ほどではないにせよ、いまだ高水準の伸びが続いている。

新3種の神器の伸び率があまりにも大きいので目立たないが、血圧計が12月以降40%台の伸びを示している。

コロナ前は、血圧計は市役所や病院、クリニックの待合室に設置されていて、自由に計測することができたが、不特定多数が接触する物品として、一斉に撤去されてしまった。

筆者も血圧は通っていたスポーツクラブで測定していたが、コロナでスポーツクラブ自体が休業してしまい、タダで測定できる場を失ってしまった。そんなタダで計測できる場を失った人たちの需要を取り込んでいるということかもしれない。

継続的に伸びるヘアトリートメント

ヘアトリートメントも、20%~30%の伸びが続いている。美容師と至近距離での接触が長時間続く美容院は、コロナ禍で行く頻度が下がった場所の1つだ。理容室、美容室は、近年過当競争にさらされ、そもそもコロナとは無関係に倒産や廃業の件数が増加傾向にあった。

信用調査機関の東京商工リサーチによれば、コロナ前の2019年1年間に倒産した理美容室は119件。これでも過去最高なので、一見少なく見えるが、倒産に至る前に閉店・廃業している店は数千店に上るという。

「2020年1年間の倒産件数は97件と前年から減ったとはいえ、依然として高水準。理美容室を取り巻く環境の厳しさに変化はない」(東京商工リサーチ情報部)。

感性の合う美容師にたどり着くまで時間がかかった人は少なくないはずだ。慣れ親しんだ美容院が廃業すると、「次」はそう簡単には見つからない。まして外出を自粛すべきとなれば開拓意欲は削がれる。

最近は自分で手軽に髪を染められるカラー剤や、自宅で縮毛矯正が可能なストレートパーマ剤なども市販されており、これらがヘアトリートメントに分類されていることからすると、美容院に行けない、行かない代わりとして販売が伸びている可能性がある。

一方、低迷が続き、一向に上向く気配がないのが口紅。マスクをしないで済む生活が常態化するまでは復活は望めないだろう。

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