香港に中国流民主制、「暴走」はどこまで続くか

共産党主導の「法治」、見えぬ西側諸国の対抗策

民主主義的な制度のもとでの選挙は、国民の多様な意見や主張、利害などを反映した代表者を選ぶためのものだ。その結果、政権を担う政党や大統領などの為政者が交代することもある。政権交代を前提とした制度なのだ。

ところが、中国では憲法に「中国共産党による指導は中国的な特色のある社会主義の最も本質的な特徴」などと書かれており、共産党一党支配が政治制度の大前提となっている。つまり、選挙で政権政党が変わるなどということは想定されておらず、選挙は共産党支配を認め、その方針を支持する愛国者を国民の代表に選出するためのものでしかない。

外形的には民意を反映した立法、行政が行われているように装っている。しかし、選出された議員は共産党の提起する法案を機械的に承認するだけだ。これが中国流の「民主主義」なのである。

民主主義は政治制度の1つにすぎない

したがって、政権交代の可能性を前提としている西側諸国の選挙制度には欠陥があり、受け入れることができない。中国の一部となった香港の選挙制度には西側の制度の残滓があり、それが香港を不安定な状況に陥れている。ゆえに全人代の決議という合法的な手続きを経て、不安定要素を排除するのだ。

中国共産党一党支配の政治体制からすると当然の対応であり、それを西側諸国が批判することは内政干渉にほかならない。

多様な価値観や利害関係を反映させる政治制度に慣れ親しんでいるわれわれからすると、想像もつかない。しかし、中国では「民主主義制度というのは数ある政治制度の1つでしかなく、どの政治制度を選択するかはその国の判断である」という考え方が広く定着している。

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