今日もわが子が「思い通りに動かない」理由3つ 「観察」を超えて「監視」することの悪影響

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「勉強しなさい!」(作用)と言えば、ますます勉強しなくなります(反作用)。また「ゲームはもうやめなさい!」(作用)と言えば、ますますゲームをやります(反作用)。子どもは言われたことと逆に行動することがあることを前提にする必要があるでしょう。しかし、親はどうしても目の前の子どもの状態を改善させたいという思いが強すぎるため、ストレートな口調で強引にやらせたり、やめさせたりします。その結果、子どもは親の思う理想とは真反対に向かっていくことになります。

一方で、この原理を逆に応用することもできます。

例えば、勉強“らしい”ことをやっていたら「体に悪いから勉強なんかしないで早く寝たら」と言ってみたり、勉強しているときに「遊びに行こう」と誘ってみたりすると子どもは「いや、勉強しなければならないから」と返してくる現象がしばしば起こります。

「そんなこと言ったら、うちの子はますますやらなくなる」という人もいるでしょう。一時的にそうなることはあっても、しばらくすると自分で勝手に勉強するようになることは珍しくありません。だまされたと思って一度試してみてください。

これは人間の心理作用の1つですので、筆者もこれまで多くの子どもたちを指導する際に使ってきました。

ただし、この方法では1つ注意することがあります。それは、口では「勉強よりももっと遊ぼう」と言っていても、そのときの親の顔が怖かったり、嫌みに聞こえたりするような言い方では、勉強やりなさいと同義のメッセージを与えることになります。その点だけはぜひ気をつけてください。

「観察」ではなく「監視」をしている

子どもの行動について、つぶさに把握している方にときどきお会いします。未就学児ならまだしも、子どもが中学生になっても逐一子どもの様子を把握しているのです。

例えば、「数学の関数の問題が苦手」とか「学校のノートの字が汚い」など細かいことまで見ている親が実際にいることに驚かされます。このような状態を「監視」と筆者は呼んでいます。ただ観察しているのでなく、こうすべきという見方があって、そのうえでチェックしているということです。

監視されている子どもの気持ちはどのようなものでしょうか。井上さんの場合は、お子さんが小学生だった頃は、勉強をすべて管理していたということから、「監視」も同時に行われていたことでしょう。子どもが“反抗”しない頃はまだ問題は起こらないでしょうが、“反抗期(自立期)”に入ると、トラブルが起こります。そこで、筆者は保護者に次のようなことをお伝えしています。

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