中国の民営アルミ最大手の中国宏橋集団は3月5日、2020年の通期決算を発表した。それによれば、売上高は861億4500万元(約1兆4369億円)と前年比2.3%増の小幅な増収だった。一方、純利益は104億9600万元(約1751億円)と前年比72.2%増の大幅増益を記録した。
同社は鉱石の採掘から電解精錬、鋳造、圧延、線材、アルミ板、アルミ箔、新素材に至るまで、アルミ関連のあらゆる事業を手がける。製品の大部分は中国国内で販売されており、国内販売比率は95%を超える。
中国宏橋集団の2020年の販売量に大きな変動はなかった。売上高の73.5%を占める電解アルミ製品の販売量は約506万トンと、前年比ほぼ横ばいだった。
電解アルミの平均販売価格は2.2%上昇
そんななか、なぜ純利益が急増したのか。同社は決算報告書のなかで、電解アルミの平均販売価格が前年比約2.2%上がったことや、製造原価、販売費用、財務費用などが減少したことを理由として挙げる。
実際に増益効果が大きかったのは製造原価と費用の低減だ。決算報告書によれば、原材料の酸化アルミニウムやボーキサイト、電解精錬炉に欠かせない黒鉛電極などの平均仕入れ価格が低下した。また、負債の圧縮で金利負担が減り、2020年の財務費用が前年比13.7%減少した。
利益増加のもうひとつの要因は、前年と比べた資産の減損の縮小だ。
2019年には工場が台風の被害を受けたことや、雲南省の新工場への移転などが重なり、不動産や生産設備の減損損失として17億3000万元(約289億円)を計上していた。2020年はそれがなくなり、減損損失は1億6000万元(約27億円)と10分の1以下になった。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は3月6日
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