「砕け散るところを見せてあげる」映画化の背景 人気小説の熱量をスクリーンを通して伝える

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その中で清澄は玻璃の愛らしさに気付き、一方の玻璃は清澄にあこがれのまなざしを向け「わたしも強くなりたい」と思うようになる。そうして二人の距離は徐々に近づいていった。だが彼女には誰にも言えない秘密があり、その秘密に気づいた清澄にも恐るべき危険が迫り、物語は予測できない衝撃の展開を見せていく――。

本作のダブル主演を務める石井と中川は、EXILE AKIRA主演のテレビドラマの「GTO」や、広瀬すずと山﨑賢人らと共演した映画『四月は君の嘘』に続き、3度目の共演となる。

女優として映画やドラマでの活躍が目立つ石井杏奈 ©2020 映画「砕け散るところを見せてあげる」製作委員会

「中学2年生で初めて共演して以来、3回目の共演で、同い年の石井さんとは、安心感がありました。玻璃という難役に果敢に挑んでいる姿が頼もしかったです」と語る中川に対し、石井も「中川さんとは同じ年で、初めてお会いしたときはお互いが中学生のときでした。今回の共演で3作品目となります。いつもすべてに真っすぐで、体当たりで、毎日刺激を頂いていました。現場の中川さんも、映像の中の中川さんもとてもすてきでした」と語るなど、互いに信頼感を寄せている。

意外性のあるストーリー

本作の主人公・蔵本玻璃は父親から、「母親が家を出ていったのはUFOのせいだ」と言われたことをきっかけに、いじめも何もかも、彼女を苦しめるものは「誰も悪くない。すべてUFOのせいなんだから」と現実逃避をすることで無理やり自分を納得させ、人生をあきらめていた。

だが目の前にいる先輩が、自分を助けてくれた。孤独だと思っていた人生が一気に華やいだ。そこに勇気が芽生えてきた。そこで彼女は先輩に尋ねる。「どうしたら先輩みたいに強くなれますか?」。そこから二人は“UFOと名付けた何物か”と対峙(たいじ)することとなる――。一筋縄ではいかない玻璃という難役を演じた石井は「この作品が終わった後に抜け殻のようになった。それくらい全力を尽くした作品になった」というほどに本作に入れ込んだ。

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