ジャガー・ランドローバー「純EVじゃない」電動化 ランドローバーは燃料電池車に新たな道を探る

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ジャガーのEVモデル「I-PACE」(写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン)
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開始10分前という急なタイミングで入った連絡は、ジャガー・ランドローバーが新しいグローバル戦略を発表するという内容だった。そんなふうに慌ただしく、2月17日10時(英国現地時間)から始まったオンラインコンファレンスで、昨年ルノーから移籍してきたばかりとなる同社のティエリー・ボロレCEOは「REIMAGINE」と名付けられた新しいビジネスプランを発表した。

ジャガーは2025年からEVブランドへ転換

予想通り、話はほとんど電動化について割かれることになったが、その戦略は予想を超える大胆なものだった。まずジャガーは、2025年からEV(電気自動車)ブランドへと転換していく。ランドローバーも、まずは2024年に最初のEVを投入し、それを振り出しに、5年の間に6車種のEVを用意するという。そして2030年には、ジャガーは100%EVブランドになり、ランドローバーすらも約60%を“テールパイプを持たない”モデルにするというのである。

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プレミアムカー市場におけるテスラの台頭、世界中で広がる脱炭素化への流れ、そして忘れてはいけないフォルクスワーゲン(VW)グループが引き起こしたディーゼルゲートといったさまざまな要因が積み重なって、世界の自動車メーカーは目下、急激な電動化の波にのみ込まれている。その勢いはさらに加速しており、ここに来て完全なEVメーカーへの転身を宣言するブランドがいくつも現れてきているのは、皆さんもご存じのとおりだ。

今月、スウェーデンのボルボは2030年完全EV化を宣言したし、昨年11月にはイギリスのベントレーも、やはり2030年からの全車EV化を打ち出している。ロールス・ロイスは公式なステートメントこそ出していないが、昨年の「ゴースト」導入時に筆者が本国のエンジニアとオンラインで行ったインタビューでは、現在のパワートレインラインナップの次の段階ではプラグインハイブリッド(PHEV)は経由せず、一気にEV化を図ると明言していた。

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