報連相が「滞る職場」「徹底される職場」の境界 なぜ基本的な仕事をできない社員が増えたのか

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さらには日常的に、「△△△の件、〇〇さんはどう思ってる?」「△△△について、〇〇さんの意見はどんな感じ?」と、発言を促す「攻めの質問」を習慣づけておくと、チーム内に、意見を出さざるを得ない雰囲気が漂い始めます。「攻めの報・連・相」の亜流といってもよいでしょう。

その返答が「ええ、まあ、特に……(ありません)」的なものにならないように、上司に振られたら必ず自分の明確な意見を言わなければならないというルールを、あらかじめ伝えておくという手もあります。

「否定的な論評」はできるだけ避けること

「3秒ルール」といって、「上司や先輩からの問いかけについては、必ず3秒以内に自分の意見を言わなければならない」というルールを徹底している会社を、私は知っています。不思議なもので、その会社の社員の頭の回転は速く非常にクレバーですので、やはり効果があるに違いありません。

『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30』(青春出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

部下や後輩から出た意見をさらに掘り下げる関連質問はいいとして、意見そのものに対する否定的な論評は避けた方がいいでしょう。「〇〇さんはなんでいつも、そう否定的な意見ばっかり言うんだ……」とか「もっと現実的なアイデアはないか……」と、意見そのものを論評してしまうと、意見を言うこと自体をヤブヘビと感じてしまうので、逆効果になってしまいます。

また、個人的な判断基準や気分で報告や連絡をしない人については、言い方というより、なぜ報告、連絡が必要なのかを、しっかりと伝えるようにしましょう。

その意義や目的を伝えるのはもちろんですが、それを怠ることによってどのような事象やトラブル、障害が起きるかということを、実例とともに語る方法が効果的です。

具体的には、「私たちの部門は、常に情報を共有していかないと他部門や顧客に迷惑をかけるし、個人ではカバーしきれない実害を生み出すので、そこは注意しよう」といった言い方になります。

大塚 寿 エマメイコーポレーション代表取締役

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おおつか ひさし / Hisashi Otsuka

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBAを取得。挫折の多かった10代、「もっとやれるはずだ」という想いと現実とのギャップに悶々とした20代を過ごした。なんとか現状を変えようと、リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の管理職や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で自己実現を果たす。歴史上の成功者よりも、身近な市井の人の成功・失敗に学ぶことの合理性を痛感している。

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