なぜ幹部社員は、髪を金色に染めたのか

炸裂!グーグルOB起業家のホンネトーク(後編)

山田 一つ一つカスタムしていくと、スケールメリットが出しにくいのでは。

倉岡 今のところはリソースの問題もあるし、1個1個全部カスタムすることはあんまり考えていません。ある程度汎用的にできるところを汎用的に作っていきます。あとは今、我々は予約っていうところを打ち出していますが、それ以外の顧客管理などは、どの業態であれより汎用的に作れると思うので、そこを常に探っていきたいと思っています。

佐藤 僕はターゲットをしぼらない、「王道を行く」みたいなやり方、好きですけどね。競合もそれほど直接的にいないのに、領域を絞ってしまうのは、なんだかつまらない。製品レベルのセグメンテーションで対応できることも全然あると思う。大輔さんは、ニッチを狙おうと思いましたか? とりあえず、この機能だけは作ろうみたいな。

佐々木 絞り切ることができず、「いいや、もうどっちも出しちゃえ」みたいなことがありましたよ。でも実際にリリースしてみると、「ああ、やっぱりここはいらなかった」というのがわかる。リリースするたびに仮説検証できますね。

逆に言うと、リリースしなければ、どこにニーズがあるのかがわからない。リリース前に、「こんな機能、どう思う?」と聞いても、みんな「あったら便利かもね」って、どこか人ごとみたいな反応しかない。リリース前はいつもビクビクしているんですが、実際に出してみるとインターネットの世界は広いので、一部の人たちが「わあ、これすごい」って広めてくれて、その勢いで、「あ、私も、私も」みたいな感じでどんどん盛り上がってくる。そんな流れがあると思っています。

日本の中小企業のクラウド利用率が低い

佐藤 佐々木さんが経理という会社のバックオフィス業務を事業のテーマに置こうと思ったのは、何かきっかけとかあったんですか。

佐々木 グーグルでスモールビジネス向けのマーケティングをやっていたとき、日本の中小企業のクラウドサービスの利用率が圧倒的に低いことに強い問題意識を持った。グーグルに入る前にも、あるスタートアップのCFOをやっていたときには、会計や経理を自動化しようにも、既存のツールを使っているとできないことに気づいた。会計をクラウド化、自動化したら面白いと、ずっと考えていましたね。

佐藤 アメリカで似たようなものがあるから、ということではなく?

佐々木 あんまりなかったですね。ただ本格的にやろうと思ってから調べると、ああ、やっぱりアメリカが進んでいるなあと思いましたけど。

山田 アメリカでは、同じクラウドでもクラウドソーシングで処理するサービスがありますよ。伝票なんかをネットに置いておくと、登録しておいた税理士とかが仕訳をやってくれる。

佐々木 ありますよね。でももっと、ほんとに誰にでも使えるようにして、セルフサービスでできるようにしたかった。そういうことができると、なんだか個人の力が広がったような感じがするじゃないですか。

山田 ほかに佐藤さんに聞きたいこと、ありますか?

倉岡 フリークアウトは社員120人という規模になってもカルチャーが維持できている感じがする。今に至るまで、いちばん気を遣ったのは、どういうところですか。

佐藤 人数が多くなると、「ちゃんとしないと」っていう空気に絶対なるじゃないですか。なので、ほんとに細かいことの積み重ねなんですけど、できるだけアウト・オブ・ザ・ボックスな考えとか、バカみたいなことを気安く言える環境を維持しようと思っていて。そのためにはちょこちょこチューニングしています。並べる本にも気を使いますし、それこそ人事のやつを金髪にしたりするし、意図的に空気を乱すみたいなことをやる。

「こういう会社にしたいんだ」と言っても、そういう会社には絶対ならないので、環境をチューニングするみたいな、小さいことを積み重ねていく感じですね。

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