ロシアで日本の「コーヒー」がはやる意外な事情 最大の輸出国であり、全体の3割を占めている
しかし、それ以外の要因もあるようだ。「コロナ禍の影響です。中国湖北省産の鶏卵の取引が一時ストップしたこともあり、安全性に定評のある日本産の需要が高まりました。さらに、昨年はコロナ禍やデモによる外出自粛で家庭内需要が増えた点も指摘されています」(香港在住の流通関係者)
2018年には、日本からアメリカ向けの輸出が解禁され、2019年にはグアム向けの輸出も始まった。日本で生まれた卵が航空便や船便で外国に運ばれ、レストランや家庭で食されているのだ。
インスタントコーヒーの輸出が伸びる
さらに日本産の意外なモノが世界で人気を博している。農林水産省が公表している「農林水産物輸出入情報」には約200品目の輸出品のデータが記載されているが、個別品目で対前年比の伸びがもっとも高かったのは、なんとインスタントコーヒーだった。
財務省の貿易統計を基にコーヒーの輸出入を見てみよう。まずは輸入。コーヒー生豆は39万1611トンで1134億円。輸入相手国はブラジル、コロンビア、ベトナムの順(金額ベース、以下同)だ。
煎ったコーヒー(レギュラーコーヒー)は7367トンで124億円。相手国はスイス、アメリカ、イギリスの順である。
インスタントコーヒーは1万700トンで106億円。相手国はブラジル、ベトナム、ドイツの順となっている。これらを合計すると輸入額合計は1364億円になる。
一方、輸出はというと、コーヒー生豆はわずか3292キログラムで580万7000円。煎ったコーヒー(レギュラーコーヒー)は1934トンで34億4820万円。相手国は中国、台湾、香港の順だ。
インスタントコーヒーは6170トンで92億3100万円。相手国はロシア、中国、アメリカの順。これらの輸出額合計は126億8500万円。コーヒーに関しては、輸出は輸入の10分の1以下にすぎない。
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