谷原章介「どんな役も演じ分ける技工派」の魅力 「アタック25」に隠れた俳優としての圧倒的才能

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3月から『とくダネ!』の後番組『めざまし8』の司会に大抜擢。俳優・谷原章介の魅力とは?(写真:Sports Nippon/Getty)

高身長に甘いマスク、穏やかな低音ボイス。『メンズノンノ』のモデルから芸能界へ、イケメンの王道を通ってきた俳優・谷原章介。高貴で雅で華やかな雰囲気をまといながらも嫌味がない。地べたに膝をつくのも厭わないような低姿勢と親近感もあり、女性票が圧倒的に多い。

『王様のブランチ』(TBS)に『アタック25』(テレ朝系)、『うたコン』(NHK)の司会業もこなし、顔も声も抜群の知名度だ。全国区のショウスケさんといえば昔はオハラ(会津磐梯山ね)だったが、いまやタニハラ。田舎の年寄りでもわかるショウスケさんである。

そして、この春『とくダネ!』の後番組『めざまし8』の司会に抜擢。平日のフジテレビで唯一、穏やかで爽やかな番組を任されることに。朝の帯番組に出るということは、役者業の割合は確実に減ってしまう。せっかく俳優として円熟期を迎えたのにもったいないなあと思うので、谷原の役者業をさらっとおさらいしておく。

そつなく・無難に・完璧がもたらすもの

どんな作品でもその世界にしっくりハマってそつなくこなす。嫌味なモテ男、斜に構えたキザ男、ちょっと不遇で残念な二枚目も、そして高飛車な医師や弁護士なども無難にかつ完璧に演じてきた谷原。「そつなく・無難に」というのがネックで、長所だが弱点とも言える。なぜか谷原には「冷たく見えても実はいい人」というパターンがついて回っていたため、インパクトを弱めたのかもしれない。

『小早川伸木の恋』(2006年・フジ)では主人公の同僚医師という役どころ。大学病院という縦社会で一匹狼を気取るも、上昇志向は人一倍強い。情に厚い医療を蔑んでいた割に患者と恋に落ちる。最終的には病院を去って開業医に。エエ人や。

『わたしたちの教科書』(2007年・フジ)では、親から継いだ法律事務所を経営する弁護士役。同僚弁護士で婚約者の菅野美穂が勝ち目のない「いじめ訴訟」に関わったため、クビにして婚約も破棄。実に冷淡な別れ方で菅野を孤独な闘いに追い込む。というのも、谷原は学校側の弁護につくからだ。ただ単にエゴで別れたわけではなく、最終的に菅野の健闘を称えた谷原には仁と愛があった。エエ人や。

二枚目でエエ人を完璧にこなすというのは、案外記憶に残りにくい。むしろ道を外れた悪人やひどい棒演技のほうが海馬にがっつり刻まれてしまうから。

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