谷原章介「どんな役も演じ分ける技工派」の魅力 「アタック25」に隠れた俳優としての圧倒的才能

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そして、『ラッキーセブン』(2012年・フジ)でも劇中劇の人。主人公の甥っ子が好きなドラマ「私立探偵 真壁★リュウ」の主演俳優役。白のソフト帽に白のコートをひるがえし、決め台詞を放つ谷原。第6話では実際に登場。ワガママな俳優だが、何者かに脅迫されてビビる三枚目路線。昔ながらの俳優、いかにもありそうな探偵ドラマをたったひとりで表現できちゃうのが谷原の類まれなる才能でもある。

実力・人気・好感度・子宝に恵まれて

結婚後、実力も人気も知名度も好感度も上がり、子供の数も一気に増えて順風満帆。大河も数年おきに定期的に登場しているし、朝ドラも出たことだし、地味な作品ではあるが連ドラの主演も増えた。アイコンだけでは終わらない快進撃だ。

『血の轍』(2014年・WOWOW)では強行犯の刑事役。刑事部と公安の熾烈な抗争と騙しあいがスリリングな物語で、珍しく荒々しい谷原を堪能できた。

逆に『警部補・杉山真太郎~吉祥寺署事件ファイル』(2015年・TBS)では妻は病死、3人の子持ちシングルファーザー。よきパパで敏腕刑事だが、義母から疎まれているという役どころ。もうすっかり「お父さん系」。

『ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~』(2016年・テレ東)でも、亡くなった婚約者の連れ子と暮らす子持ちの医師役。医療事故を調査する医師たちの勧善懲悪モノだが、現場で手術するわ、看護師は色仕掛けするわ、潜入捜査もするわでやりたい放題。架空の組織はずいぶん自由だな! 別の意味で興味深い作品ではあった。

基本的には正義の善人役が多く、ほっこり優しくて、いつも笑顔で家事育児を率先してやるパパといった印象も強くなった。だからこそ「朝の顔」になるわけだが、個人的にはここ数年の「じゃないほうの谷原」が好きだった。

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