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台湾オードリー・タン「透明性」への驚異の信念 「討論プラットフォーム」の経緯から見えること

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「当時の〈リバース・メンタリング制度〉は、リバースメンターたちが政府の中で見聞きしたことを、外部に公開してはならないというルールがありました。私は透明性を重視していますから、それは無理だとジャクリーンに伝えました。そこで彼女は、〈プロジェクトの外部コンサルタント〉という別の形で私を起用したのです」

この言葉からも、オードリーが仕事にいかに透明性を重んじているかが、よく伝わるのではないだろうか。私が本書のコラムインタビューのためにジャクリーンの元を訪れる直前、オードリーに彼女はどんな人物かと訊くと、「オープンで人見知りせず、民間から自分よりよい考えが出てくるのを恐れない、まったくメンツの問題を持たない人物ですよ」と教えてくれた(本書にはジャクリーン・ツァイ元大臣へのインタビューも収録している)。

最後の砦「国会の透明化」

「ジャクリーンは、権力は政府に集中するものではなく、民間の想像力こそ大事にされるべき、という考えを持っています。この考え方は私とまったく同じですが、戒厳令が敷かれていた時間を私よりも長く過ごしているからか、彼女のほうがより強い気持ちで物事に向き合っていると思います。戒厳令下でも民間にいい考えはたくさんありましたが、政府に対して何も意見することはできませんでしたから。

『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)
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彼女は法律の専門家として、いい法律を設計しさえすれば、政府が権力集中に向かうのを抑え、民間が主体となって大部分をイノベーションしていけるはずだ、と話してくれました」

「私は入閣を機に、〈vTaiwan〉の運営をほかのメンバーの手に引き渡しています。私が関わっていた頃には行政院をより透明に、市民の近くにするにはどうしたらいいかを討論するだけでしたが、〈ひまわり学生運動〉で国会はもっとオープンになるべきだと主張していた林昶佐(フレディ・リム)や賴品妤といった友人らは、今や立法委員になり、立法院長に政党を超えてオープンガバメントを推進するよう提言し、すべての政党の同意を得て、事を進めているのです」

こうして現在(2020年)、〈vTaiwan〉ではいよいよ最後の砦である「国会の透明化」が議題に上がっている。

(写真出所:すべて『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』より)

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