台湾オードリー・タン「透明性」への驚異の信念 「討論プラットフォーム」の経緯から見えること

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「大部分の人は、コメント欄があると、別の人の意見の気に入らないところを見つけて攻撃を始めます。賛成派は仲間を集めて、いいねを押します。反対派も同じことをします。それが分断ですね。でもそれは、日本人だからではありません。台湾でも同じです。

〈vTaiwan〉では、意見に対して賛成か反対を押すと、同じ意見の人がいる場所にあなたのアイコンが位置付けられます。もしその意見に違和感を覚えるならば、自分で意見を出して投票を求め、人に評価されることができます。個人のプロフィールも表示されますので、自分の友人や家族も実際には意見が違うことが発見できるでしょう。でも、意見が違っても友人ですよね。

こういった話し合いの場では、極端な意見が目につきやすいかもしれませんが、実は多数派は別のところにいるかもしれません。コメント欄も1つの大切な政治なのです」

会議の様子はすべてアーカイブされる

「〈UberX〉(自家用車に客を乗せる)」については、926名が参加し、80の意見が上げられ、およそ3万回のコミュニケーションが起こった。

実際の意見グループが可視化された例。「私は、UberXは今のところ法に拠って営業していないので、搭乗するにはリスクがあると思う」という意見に、80%の人が反対したことがわかる

それらの意見を基に、2015年8月27日には〈UberX 自家用車に客を乗せることへの意見徵集質疑会議(原名:自用車載客意見徵集質疑会議)〉が開かれ、政府から各部の担当者(交通部、経済部、財政部、財団法人資訊工業策進会、国家発展委員会など)、学術界の専門家、台湾最大のタクシー会社およびタクシー業者の会、そして当のUber 事業者など、関係者が一堂に会した。

オードリーがファシリテーターを務め、冒頭で「この会議の目的は利害関係者が集まり、それぞれの状況や意見を発表することです」と述べた。オードリーらは、それをオンラインでライブ放送し、1875人がその様子をインターネット経由で見守った。会議の様子はすべて動画と議事録によりアーカイブされ、誰がどんな発言したのかがはっきりわかる。

2015年8月27 日〈UberX 自用車載客意見徵集〉質疑会議の模様
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