“超日本語吹き替え版”が登場、洋画離れに歯止めをかけるか

4月公開のミステリー映画『シャッターアイランド』で新しい試みが行われている。「超日本語吹き替え版がお勧めです」と、日本語吹き替え版を盛んにアピールしているのだ。映像に集中して謎解きを楽しんでもらうためとの触れ込みだが、もっと深い理由がある。若者の「字幕離れ」である。

洋画を字幕と吹き替えのどちらで見るかを本作の配給会社が調査したところ、字幕と答えた人の割合は20代以上のどの年代でも7~8割だったのに対し、10代については50%まで低下した。調査結果によれば、若年世代ほど「字幕が早くて読みきれない」との声が多い。

これに着目したのが、本作のマーケティングを担当する木村�永氏。洋画の吹き替え版はファミリー向けか一部の大作に限られる。普通の洋画でも吹き替え版を導入すれば、客が増えるはずとにらんだ。そこでシドニイ・シェルダンの小説で知られる「超訳」を考案したアカデミー出版に教えを請い、翻訳的な言い回しを避けるなど会話がより自然に楽しめる「超日本語吹き替え版」を作り上げた。

近年、ヒット映画の上位に並ぶのは邦画ばかり。洋画がつまらなくなったという見方もあるが、「実態に合わせた売り方ができていないのが原因」と木村氏は分析する。日本語吹き替え版は洋画復活のきっかけとなるか。

(大坂直樹 =週刊東洋経済2010年4月17日号)

写真:シャッターアイランドで主演するレオナルド・ディカプリオ、Copyright 2010 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

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