新卒でいい会社に入れなかったら終わりなのか?
まずここで言う「いい会社」の定義ですが、大半が誰でも聞いたことのある企業、という文脈で語られます。実はこれが多くの悲劇を巻き起こす元凶のひとつなのでは、とも思うのですが、看板やキーワードに依拠した就職や転職に対する考え方が、まだまだまかり通っているのかなと思っています。
別の質問でよくある「MBAは……」というものもそうですが、そういった資格は多くのケースでそれ単体では価値はありません。MBAやらがその方個人がやってきた仕事やキャリアの軌跡において補完、または強化するものであれば当然、役に立ちますが、なんとなくMBAを取ればハルクのように超人に変身できるのでは、という文脈においてはまったく役に立ちません。これもMBAという本来、脇役であるべき看板やキーワードが主語になってしまっている典型です。
それと同様に、いわゆる「いい会社」に入れば自動的にいいキャリアを作れる、という前提で、前述の「いい会社に……」ということが言われるわけですが、これも会社という箱、キーワードが独り歩きしている感があります。
本来、いい会社とは「いいキャリアを個人として形成できる会社」という意味であるべきです。そういった意味では各個人のやる気とスタンスによっていい会社は定義されるべきものであり、どの会社もいい会社にも悪い会社にもなりえる、ということです。そこに本来は有名であるか否か、といった要素は入り込むすきはないハズです。キャリアとは自分個人として何をしてきたかであって、どの会社に所属したか、ではありません。
したがって、有名という意味での「いい会社」に入れなかったからといって、終わりではありません。むしろ世の中で求められているスキルの中で、多くの人が行く、いわゆる「いい会社」で学べないものは何かを考え、そういったユニークな経験を積める業務や会社を見つけてみる、というのも手だと思います。学生の頃のような受け身の姿勢ではなく、積極的にキャリア形成をしていく個人としての主体性が求められるということです。つねに意識すべきは、「就職時は実績がないがゆえに学歴が見られる傾向があるが、転職時に見られるのは職歴である」という事実です。
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