マジョリティが経験できないことに注力せよ
『非学歴エリート』にも詳細を書きましたが、たとえば私は、
いい大学に入れなかったが、いい大学に入っても学べない社会で通用するスキルは何か ⇒ 英語と簿記や財務等の知識
大手企業では学べない経験やスキルは何か ⇒ 大手のように仕事が細分化されては見えにくい会社経営や、事業とおカネの流れ全体を見る経験や実力次第でついてくるポジション
といったあたりを意識して、それらのマジョリティが経験できないこと、「いい」といわれている箱の中では経験できないことをつねに考え、そこに注力することで自分自身をブランド化、差別化し、今までキャリアを積んできています。
むしろ特定企業や特定の学歴にマジョリティが集中するような状況は、「逆張り派」にとってはチャンスだと思います。その際に考えるべきは会社や業種といった看板ではなく、自分自身の主体性と世の中を見る嗅覚、すなわちマジョリティを見る目・分析する力、ではないでしょうか。逆張りといっても、張ったその先にマーケットが本当に存在するか、をきちんと考えなければいけません。
その昔、当面の生活費稼ぎのために商品先物会社で仕事をしていたことがあります。ほとんどが「本日は資産運用のご案内で……」と電話をする中、「ガソリンを買いませんかぁ?」といったユニークなアプローチを試す、と意気揚々としていた人がいました。キャッチーだったのかもしれませんが、彼が与えられていた名簿はなぜかガソリンスタンド経営者名簿。「うるせ~、俺も売りたいんだよっ! いたずら電話するなっ!」と片っ端からキレられ意気消沈していました。主体性に加えて、何事も冷静に状況を見る目が大切ですね。
「恋かなと 思っていたら 不整脈」(シルバー川柳より)
面白いことに、仕事ができそうだ、頭がよさそうだ、と世間で思われているMBA卒業生は、その時々のマジョリティトレンドに乗って就職をして失敗する、という傾向が多く見られます。ITバブルのときのベンチャー企業、金融バブルの際の投資銀行、ちょっと前のソーシャルゲーム系の会社、そして直近のコンサル大量採用など、きちんと考えた結果なのか、目先のトレンドに流されただけのなのかが不明な人も多くいます。
そういったはやりのキーワードやトレンドに流されず、世間の常識とは視点を変えて見てみる、そしてどのように自分自身のユニークなキャリアを構築していくか、この先、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
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