中小企業の営業を、4カ月で改善する方法 カギは会議と注文書にあり

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外資系企業でセールスマネジャーとして活躍した後、営業強化戦略スタジオを立ち上げた、鈴木謙彰社長

外資系と日本企業の営業の違い

法人税率引き下げに注目が集まる中で、あらためて指摘されているのが、日本企業の収益力の弱さだ。現在、日本には250万社程度の法人が存在するが、そのうち7割強が赤字となっている。その大半は中小・中堅企業だ。

では、なぜ中小企業の利益は伸び悩んでいるのか。その理由のひとつが、営業力の弱さだ。たとえ良い商品やサービスがあっても、それを顧客に売るだけの営業力がなければ、売り上げは伸びない。中小・中堅企業では、社長がもっとも優秀な営業マンであるケースも多いが、社長業務が多忙なため、営業に割く時間が限られてしまう。

そこで、「営業不振企業を対象に、経営者の営業のサポートを行う」ことをミッションとして、営業強化戦略スタジオを立ち上げたのが、鈴木謙彰氏だ。鈴木氏は、シスコシステムズ、トレンドマイクロ、デルのセールスマネジャーとして華々しい実績を残してきた、“営業のプロ”だ。

「中小企業の多くは、売り上げや利益が足りない。とどのつまりは、ビジネスができていない。経営者や営業のトップをサポ―トすることで、営業力強化に貢献したい」と鈴木氏は意気込む。

鈴木氏の狙いは、端的に言えば、デル、シスコ、トレンドマイクロで学んだ戦略的な営業のノウハウを、日本企業に注入することにある。鈴木氏は、数字に厳しい外資系企業と、日本の典型的なドメスティック企業は、月曜日の朝の会議から違うと言う。

ドメスティック企業の典型的な会議はこうだ。感情表現が多く、営業がうまくいかなかった理由や、自分の実績を長々と報告。その後は、細かい点にフォーカスした質疑応答が行われ、最後は「がんばります」という精神論で終わってしまう。

それに対し、外資系企業の会議では、先週のコミットに対する、売上・利益額の実績、達成率を数字で報告。実績の季節性、対前年比、実働日数など、あらゆる数値と前週の実績を比較し、改善点を探って行く。その後は、今週の目標と注力ポイント、コミットメントを語るといった具合だ。

その上、会議の頻度にも違いがある。ドメスティック企業が、数字に関わる会議を月曜日に1回しか行わないのに対し、外資系では、月曜午前、午後、水曜日、金曜日と複数回行う。数字が足りなければ、月曜日午後、水曜日の段階でリカバリープランを提示し、金曜日には、チームでの集計と課題確認を行う。

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