日本にも存在する?中国の「秘密結社」の正体 王道ではない中国の歴史を学ぶことの意義

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致公党は、対外工作を中心に担っていますが、共産党としても、あえて共産党とは別に存在させることで、海外での仕事がしやすくなる、ひいては致公党を通して彼らとつながりの深い世界各地の洪門とも交流ができるというメリットがあります。洪門にとっても、共産党と仲良くすれば大きな仕事がもらえるため協力関係にあるようです。

――実際に致公党のメンバーも増えているみたいですね。

すごく増えています。特に海外留学の経験があるエリート層です。中国共産党にとっては、真正面から取り込むと大変だけれども、共産党の体制内にはとどめておきたい人物には、致公党のような衛星政党が存在するのは便利です。致公党の党員には有名な芸能人もいますし、日本国内にも孔子学院の関係者など、一定数の致公党関係者が存在しています。

――秘密結社など、いわゆる王道ではない中国の歴史を日本人である私たちが知る意義はどこにあるのでしょうか。

地縁だったり、血縁だったり、秘密結社的な盟友関係だったり、中華圏の人間関係は僕らが想像している以上のものがあります。

歴史学的な視点はビジネスにも役立つ

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例えば、中国のトップである習近平は台湾の国民党の名誉主席でもある連戦と、とりわけ仲がいい。

それは連戦自身が中国大陸の陝西省で生まれ、習近平も両親が陝西省出身だから。2人で陝西語で話したことがあったというエピソードがあるほどです。

僕ら日本人は政治の中心でもある北京中心で中国の政治や経済をとらえがちですが、習近平と連戦の逸話のように、実は地域ごと、コミュニティーごとに見ないとわからない側面もあります。こうした文化人類学的、歴史学的な視点は、中国でビジネスをするうえでも絶対に不可欠な視点だと思います。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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